本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、富士通マーケティングの藤田正美 代表取締役社長と、シトリックス・システムズ・ジャパンの青葉雅和 カントリーマネージャーの発言を紹介する。
「企業の経営課題にICTで応えたい」
(富士通マーケティング 藤田正美 代表取締役社長)
富士通マーケティングの藤田正美 代表取締役社長
富士通マーケティングが先ごろ、顧客企業を招待したプライベートイベント「富士通マーケティングフォーラム2017」を都内で開催した。藤田氏の冒頭の発言は、そのイベントの経営層向けフォーラムにおいて主催者挨拶としてスピーチした中で、経営課題へのICT活用を強調したものである。
藤田氏はスピーチの中で、同フォーラムを通じて過去2回行った来場者アンケートの結果から、顧客企業の経営課題におけるICT投資検討分野をグラフ(図参照)にして紹介。それによると、「業務プロセス/作業効率化」「セキュリティの強化」「情報共有/ワークスタイル変革」の3つに高い関心が寄せられたとし、それぞれについて同社の取り組みを説明した。
まず1つ目の業務プロセス/作業効率化については、「景気回復により労働力の確保が難しくなってきており、ICTの効果的・効率的活用が肝要となっている」と指摘。これに対し、同社では2005年から経営およびICTの可視化を支援するフリーコンサルティングサービスを実施。さらに2015年10月からは顧客企業の現場に入り込んで業務の課題を可視化するサービスを提供しているという。また、業務効率化を支援するERPソフトウェア「GLOVIAシリーズ」の拡充にも引き続き注力していくとした。
2つ目のセキュリティの強化については、同社が提供する「標的型メール攻撃訓練サービス」を利用した顧客企業における実施結果を紹介。それによると、およそ200社のうち7割の企業において1人以上の従業員が標的型メールをクリックしてしまい、被害リスクがあることが分かったという。
この結果について藤田氏は、「従業員個々が危機意識を高めるとともに、経営層や情報システム部門は組織としてしっかりとした対策を講じる必要がある」と訴えた。同社ではサイバー攻撃対策として、システムだけでなく人的な対策にもソリューションを用意しているという。