本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、日本オラクルの杉原博茂 取締役 代表執行役社長兼CEOと、レノボ・ジャパンの橘一徳 データセンター・ソリューション事業本部 副事業本部長の発言を紹介する。
「業務アプリケーション領域でクラウドの売上高がオンプレミスを上回った」 (日本オラクル 杉原博茂 取締役 代表執行役社長兼CEO)
日本オラクルの杉原博茂 取締役 代表執行役社長兼CEO
日本オラクルが先ごろ開いた記者懇談会で、杉原氏が最近の事業状況や今後の取り組みについて語った。冒頭の発言はその中で、クラウド事業の状況を説明した際に言及したものである。
杉原氏が記者懇談会でスピーチしたのは10分ほどだったが、その大半はクラウド事業に関する内容だった。
実は、それには理由がある。2014年4月に日本オラクルの社長に就任した杉原氏はすぐさま「2020年にナンバーワンのクラウドカンパニーになる」と宣言。いわば6年計画での大きな目標を掲げたわけだが、今年はその中間期にあたり、これまで3年間の進ちょくが注目される形になるからだ。
杉原氏はそれを意識したうえで、「クラウド事業はこれまで多くの方々のサポートをいただきながら好調に推移しており、直近の四半期の売上高でも前年同期比で倍増の成長を遂げることができた。とりわけ、業務アプリケーション領域ではクラウドの売上高がオンプレミスを上回る形になり、非常に強い手応えを感じている」と語った。冒頭の発言はこのコメントから抜粋したものである。
さらに同氏は、「グローバルでは、従業員1000人以上の規模の企業を対象にした場合、オラクルがクラウド売上高で競合を抑えてナンバーワンを獲得したとの調査結果もある。こうした流れは間もなく日本にもやってくると見ており、日本オラクルとしてしっかりとキャッチアップしていきたい」との意気込みを示した。