IDC Japanは3月21日、国内ファイル/オブジェクトストレージ市場予測を発表した。
これによると、2020年の国内ファイル/オブジェクトストレージ市場は1422億9600万円で、2015年~2020年の年間平均成長率は10.7%と予測されている。
2016年の同市場の前年比成長率は2.6%。支出額は、877億6500万円となった。同年はスケールアップソリューションがマイナス成長となる一方、スケールアウトソリューションの市場規模が拡大した。
この要因について、IDCでは、ファイルストレージにおけるスケールアウト比率が上昇したことに加え、スケールアウトオブジェクトストレージでも、商用ソフトウェアを用いたSoftware-Defined Storageの構築が堅調に推移し、用途が拡大したことを挙げている。
国内ファイル/オブジェクトストレージ市場 支出額予測、2015年~2020年
セグメント別では、スケールアップソリューションが支出額ベースの年間平均成長率で今後マイナスになるのに対し、スケールアウトソリューションは26.0%と高い成長率となると予測されている。今後スケールアウトソリューションの構成比が拡大し続け、2020年には支出額で72.6%になるという。
スケールアウトソリューションの今後の伸長について、IDCでは、データの急速な増加とデータ活用の重要性の高まりによって、ファイル/オブジェクトストレージのメリットである、大規模環境への拡張性、運用管理の効率性などの要素への評価がよりいっそう高まるとしている。
また、ITサプライヤーに対しては、データ活用基盤の実現へと導く将来像を提示し、Software-Defined技術を活用した提供モデルの多様化を進め、ファイル/オブジェクトストレージの展開を強化すべきだとしている。