「分離」でウェブのセキュリティ対策、アズジェントが提供

國谷武史 (編集部)

2017-04-13 07:00

 アズジェントは4月12日、イスラエルのFireglassが開発するアイソレーション(分離)型のセキュリティ製品「Fireglass Threat Isolation Platform」を6月から提供すると発表した。ウェブサイトやウェブアプリのユーザーだけでなく、ウェブシステムも保護できるという。

 新製品は、ユーザーを保護する「Fireglass Total Web Isolation」と、ウェブシステム側を保護する「Fireglass Web Firewall」をラインアップする。


Fireglass Threat Isolation Platformの基本的な仕組み。コンテンツやアプリケーション、データなどをコンテナ化し、そのイメージデータをユーザーに提供する

 Fireglass Total Web Isolationは、ウェブのアプリケーションやコンテンツを仮想コンテナ化し、そのレンダリングイメージをユーザーのウェブブラウザに配信する。ブラウザ側ではレンダリングイメージを画像として認識するが、ユーザーは実際のアプリやコンテンツとほぼ同様に利用できる。不正コードやマルウェアなどが混入したウェブのデータがユーザーのローカル環境に直接到達しないため、ユーザーの安全を確保できる。

 Fireglass Web Firewallは、Fireglass Total Web Isolationの仕組みを利用して、ユーザーがウェブのシステムに直接アクセスさせないようにする。これにより、システムに存在する脆弱性の悪用を狙うような不正なアクセスからシステムを保護する。

 近年はウェブシステムの脆弱性を突くサイバー攻撃の脅威が高まる一方、脆弱性対策などウェブシステムの保護が十分に進まず、情報漏えいなどの被害が増えている。アズジェント 代表取締役社長の杉本隆洋氏によると、これまでのアイソレーション型のセキュリティ製品では、Fireglass Total Web Isolationのようにユーザーの保護を対象にしていたが、Fireglassは同時にシステム側も保護できる点が特徴だという。

 Fireglassのバイスプレジデント プロダクトマネジメントを務めるUriel Maimon氏は、「検知に基づいて脅威を防御する従来型の対策では、新たな脅威が出現する度に対策を講じないといけない。脅威を到達させない仕組みによって安全性を高める対策が求められる」と話す。

 同氏によれば、約6000人の従業員を抱えるイスラエルの大手通信事業者や、コールセンターだけで1000人のオペレータが在籍している金融サービス企業などが導入。いずれも業務用のウェブアプリケーション利用時やインターネット閲覧時のセキュリティ強化につながっているとし、「例えば、コンテンツのコピーを禁止する、危険サイトへのアクセスを禁止するといったポリシーを柔軟に設定できるため、ユーザーの使い勝手を損なうことがない」という。


イスラエルの通信事業者における構成イメージ。6台のサーバで約6000人の従業員のウェブアクセスを全てアイソレーションしているという

 製品価格(税別)は、Fireglass Threat Isolation Platformが50ユーザーの場合で年間94万3250円、Fireglass Web Firewallが24時間以内のアクティブなユニークユーザーが500ユーザーの場合で796万2500円。アズジェントでは初年度に3億円の販売を見込んでいる。

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