NSAから流出のバックドア「DOUBLEPULSAR」、世界で感染急増

ZDNET Japan Staff

2017-04-24 15:02

 「Shadow Brokers」を名乗るハッカー集団が米国家安全保障局(NSA)のハッキングツールを公開した問題で、「DOUBLEPULSAR」と呼ばれる新たなバックドアの大量感染が報告されている。感染規模は観測によって異なるが、数万台から十数万台に達するもようだ。

 この問題では、米国時間4月14日にShadow BrokersがNSAの開発によるとされる多数のハッキングツールを公開した。幾つかツールではWindowsの脆弱性を悪用することが判明し、Microsoftが更新プログラムで対応した。Shadow Brokersは、「Fuzzbunch」と呼ばれる脆弱性検証ツールも公開していた。


Microsoftが対処した攻撃コード

 Fuzzbunchについて調査したセキュリティ研究者のグループによると、DOUBLEPULSARはハッキングツールを仕掛けられた端末に、任意のスクリプトをダウンロードするバックドアの役割を果たす。ハッキングツールとDOUBLEPULSARの影響を受ける端末では、攻撃者の遠隔操作によって任意のコードを実行されてしまう危険があるという。

 米国のセキュリティベンダーBelow0Dayは、4月18日にインターネット上でポート445が開かれた550万台以上をスキャンし、DOUBLEPULSARの感染が疑われる3万626台のホストを発見した。21日の観測では5万6586台に増加している。感染地域では1万台以上の米国を筆頭に欧州やアジア各国に点在し、日本国内でも1000台以上が感染しているとみられる。


DOUBLEPULSARの感染地域の内訳(出典:Below0Day)

 一方でスイスのセキュリティベンダーBinaryEdgeによれば、DOUBLEPULSARの感染規模は4月21日時点で10万6410台に上り、同23日時点では16万4715台に急増した。


日本でも1000台以上が感染している可能性がある(出典:BinaryEdge)

 この問題でMicrosoftは、脆弱性を悪用する9種類の攻撃コードについて更新プログラムで対処した。3種類の攻撃コードについては、現在サポート中のWindow 7以降およびExchange 2010以降の製品では影響を受けないものの、サポート外の製品では影響を受ける可能性があり、アップグレートを推奨している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2023年OTサイバーセキュリティの現状レポート--75%の組織が過去1年間に1回以上の侵入を経験

  2. セキュリティ

    サイバーセキュリティ強化に向けてマイクロソフトが示す実践的な指針を紹介

  3. セキュリティ

    5分でわかる「AWS WAF」--基礎知識から運用で陥りやすい3つの落とし穴までを徹底解説

  4. セキュリティ

    最前線で活躍するトップランナーと本気で考える、これからのサイバーセキュリティ

  5. 経営

    ガートナーが指南、迅速な意思決定を促す「AI」活用を実践する3つの主要ステップ

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]