Emotion Techは4月26日、都市圏の会社員2700人を対象に実施した「現在の就業先に対する満足度調査」の結果を発表した。同社は、独自の感情データ解析技術とクラウドシステムを用いたマネジメントサービスを展開している。
この調査では、就業先に対する「離職予定時期」「自分の力を発揮している実感」「働きがい」「朝起きて会社に行きたいと感じるか」「人間関係は良好だと思えるか」「社会へ貢献している実感」といった項目に関して、「満足度」「推奨度」を尋ね、その統計的な関係を確認した。
推奨度は、「ここではたらくことを友人や知人におすすめしたいですか?」といった質問をするもの。同社では、従業員の状態を把握するには各項目について「満足してますか?」と尋ねるよりも、実態を把握しやすいと説明する。推奨度による質問はNPS形式といわれる米国発祥の設問形式で、顧客や従業員の状態を把握するため有効であることが実証されており、昨今では国内でも活用が進んでいるという。
同社によれば、今回の調査で、推奨度をたずねる質問の方がより実態把握に適していることが確認された。さらに回帰分析結果から、推奨度が1点上がると「離職までの期間は11%伸びる」「自分の力を発揮している実感は5%アップする」「働きがいは8%アップする」「朝起きて会社に行きたいと感じる度合は10%アップする」「人間関係が良好であるという実感は5%アップする」「社会貢献している実感は6%アップする」ということも確認できた。
また、バブル世代、団塊ジュニア世代、ポスト団塊ジュニア世代、ゆとり世代といった世代ごとの「推奨度」に対する影響因子を、独自の感情データ解析技術を用いて確認したところ、バブル世代は「会社の制度や、周囲の人々の育児に関する両立支援」、団塊ジュニア世代は「OJT」、ポスト団塊ジュニア世代とゆとり世代は「職場の風土」と分かれることが確認された。
ポスト団塊ジュニア世代とゆとり世代は、非常に似た傾向を示すが、ゆとり世代はポスト団塊ジュニア世代に比べ、チームワーク・同僚との関係などの人間関係的因子や、有給休暇や育休産休の取りやすさなどの因子の重要度が大きい。こうした因子の重要度は、性別や職種でも違いがあることが確認されているという。
今回の調査では、特にゆとり世代が就業先に抱いている現在の感情を確認したところ、改善が必要な項目は「仕事内容そのもの」「労働時間」「昇給」「上司との関係」「同僚との関係」であることが確認できた。
Emotion Techはこうした結果を踏まえ、ゆとり世代の推奨度を上げるためには、これらの項目に留意し、従業員一人ひとりが抱く具体的感情に対し、対話を含めた有効な施策を講じることが重要だとしている。