検索にせよ、「Google Assistant」や「Android」「Gmail」「Google Photos」などのアプリケーションにせよ、「Google Cloud Platform」やそのデータセンターにせよ、Googleの成功への過程には、すべて人工知能(AI)が大きく関わっている。
「Google I/O」で分かったもっとも重要なポイントを挙げるとすれば、同社の最高経営責任者(CEO)Sundar Pichai氏が、「AIファースト」の方向に舵を切っているということだろう。2016年には、AIについて概説した同氏だったが、2017年のGoogleの統一テーマは、人工知能と機械学習が転換点を迎えたということだ。
「コンピューティングは再び進化しつつある。世界はモバイルファーストから、AIファーストへと移ってきている。わが社はAIファーストの世界に向けて、自社のすべての製品について検討し直している」とPichai氏は説明した。「わが社はAIファーストのデータセンターを構築している。また、問題解決にAIを適用することに力を入れている」
またAIは、さらなるAIアプリケーションを作る方法を学ぼうとしている。
GoogleのAIが一般に普及するもっとも一般的なルートは、Appleの「iPhone」でも利用できるようになった「Google Assistant」だろう。また開発者も、AIのためのツールを使うことが多くなっている。企業に対しては、Google Cloud Platform経由でAIが提供される。Googleの機械学習はまた、FedExやJohnson & Johnsonの求人でも使用されている。
同社は、Androidのさまざまな部分にAIを組み込んでいる。これには、アドレスや電話番号を調べることから、カットアンドペーストを簡単にすることや、電話の発信や地図などの関連アプリの起動まで、あらゆる機能が含まれる。また、モバイルデバイス単体で機械学習を利用できるようにする「TensorFlow Lite」も発表された。
またAIや機械学習の用途としては、Googleの画像認識や音声認識もデバイスに関わらずよく利用されている。
実際、米国でのGoogleのコンピュータビジョンと音声認識のエラー率は極めて低い。