軽さ、クラウドも決め手に
永瀬氏は、セキュリティソフトへの要件として、インストールパッケージが軽量であることも求めた。特に研究者のPCのパフォーマンスに、セキュリティソフトウェアによる影響を与えたくないからだ。
検証すると、従来導入していたものを含めた2つのソフトウェアが、それぞれ356MB、436MBだったのに対し、Cylance PROTECTは78MBと大幅に小さいことが分かった。
また、研究員が沖縄のキャンパス内、東京や海外の研究施設など、インターネットに繋がればどこにいても常にクライアントを管理できるという点で、クラウドのメリットを高く評価したと話している。
こうした検証結果を決め手として、今年1月、従来のセキュリティソフトウェアから、AIを用いたソフトウェアに切り替えた。
永瀬氏は、SIEM(Security Information and Event Management)をベースにSecurity Operation Center(セキュリティ・オペレーション・センター)の運用も手掛けている。新たに導入したセキュリティシステムは、SIEMとの連携機能を標準で備える。
OISTも、SIEMのダッシュボードに、サイバー攻撃の詳細を項目別に示すなどセキュリティ関連の情報を表示するように連携することで、自由な研究環境とセキュリティの両立を目指している。
沖縄・恩納村の丘の上に立つOISTからは海が見下ろせる