AdobeやAmazon、Targetといった企業は、社内向けと顧客向けの両方でソフトウェアおよびセキュリティアップデートをより迅速に提供する手段として、ますますDevOpsを利用するようになっている。このワークフローの普及拡大により、DevOpsエンジニアの職がかつてないほど増えている。
Indeedが、給与や求人数、成長機会などの観点でまとめた米国で最高の職種の2017年版リストで、DevOpsエンジニアは3位に入った。Indeedによると、DevOpsエンジニアの職はこの数年で106%増加しており、平均基本給は12万3165ドルに上るという。
DevOpsスタートアップのVictorOpsのデベロッパーアドボケイトであるMatthew Boeckman氏は、「一定の環境で求められるかもしれない専門的スキルはたくさんあるが、DevOpsエンジニアリングの現実は、頻繁な変化の1つだ。デプロイメントパイプラインでも、システムアーキテクチャでも、インシデント管理でも、DevOpsエンジニアは常に新しいテクノロジや複雑な問題、動的な役割への対応を迫られる」と話す。つまり、この職種に就く人には好気心とやる気、知性が必要だとBoeckman氏は述べた。
本記事では、DevOpsエンジニアが仕事で成功するために必要なスキルとして専門家たちが挙げたものの中から、トップ10のスキルを紹介する。
1. ソフトスキル
Happiest Minds TechnologiesのディレクターでDevOpsを統括するKarthiga Sadasivan氏によると、DevOpsの本質は、サイロを破壊することで、開発チームと運用チームの間の機能的な作業体験を変革することだという。「DevOpsエンジニアには、サイロ間の橋渡し役になり、共通の目標に向かって、別々のチームをまとめることが求められる」(Sadasivan氏)
対人スキルは重要であるにもかかわらず、過小評価されがちだ、とProject Management EssentialsのファウンディングプリンシパルのAlan Zucker氏は述べた。DevOpsプロフェッショナルはソフトウェアエンジニアなので、人間やプロセスではなくツールに頼る傾向がある。
「優秀なDevOpsエンジニアは、まず人や文化、組織運営の仕組みを理解しようと努める。その後、継続的な成果の提供という目標を達成するため、全体的な運用環境の簡素化を中心に据えた戦略を構築する」(Zucker氏)
DevOpsチームが成功するためには、コミュニケーション能力の高いメンバーが必要である、とBelatrix Softwareのプレジデントで共同創業者のAlex Robbio氏は話す。「アジャイル開発チームと同様、ソフトスキルはその特定のエンジニアにとってだけでなく、組織の文化をDevOpsの実装とその後の標準化に移行させるうえでも極めて重要である」(Robbio氏)

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