企業のIT部門のリーダーたちは、ITのイノベーションを推進する手段としてDevOpsを導入している。DevOpsの存在感が増すにつれて、アジャイル開発の手法や、コンテナやオーケストレーションプラットフォームなどのツールも一般的になってきた。
しかし、DevOpsがもたらす本当のメリットは一体何だろうか?DevOpsで顧客体験を改善できることは明らかだが、実はIT部門の運営に関してもさまざまなメリットがある。この記事では、DevOpsの導入でIT部門が得られるメリットを10個挙げみる。
1.部門間連携の強化
DevOpsの最終的な目標は、価値を早く提供することだ。企業にとって重要なメリットの1つは、開発部門と運用部門の間にある壁を取り払って、両部門間の連携を強化し、問題に対するアプローチを変えさせることができることだろう。
Forrester Researchのアプリケーション開発と提供を専門とするシニアアナリストであるChris Condo氏は、「DevOpsを導入すると、IT部門は開発チームと製品チームの協力者となり、全員が製品の全体的な成功を目指すパートナーになる」と述べている。
2.製品化までに要する時間の短縮
短期間のスプリントとアジャイル開発の手法を用いるDevOpsは、新しい製品やサービスを早く市場に出すのに役立つ。さらにCondo氏は、製品が企業のミッションにより明確に合致するようになることも多いと述べている。
「一般的に得られる全体的なメリットとしては、方向付けの段階で得られたアイデアを製品として実現するまでのサイクルの短縮、品質の向上、企業の事業目標との整合性向上などが挙げられる」(Condo氏)
3.サイクルの短縮
DevOpsを導入すると、製品化までに要する時間が短縮されることに加え、連続的デプロイメントによるアップグレードサイクルの短縮も可能になる。451 ResearchのDonnie Berkholz氏は、ソフトウェアの提供にリーン開発のアプローチを用いることで、ボトルネックを発見して取り除くことができると述べている。
「企業が月ごと、あるいは四半期ごとのリリースから、連続的な提供に移行すると、1年に数回ではなく1日に複数回ソフトウェアをリリースすることを可能にするために、リリースプロセスを変える必要がある」とBerkholz氏は言う。「多くの場合、その過程で提供パイプラインのボトルネックが判明する」
提供:iStockphoto/mavoimages