F-Secureが発表した2017年上半期に迷惑メールで偽装された企業のリストによると、配達サービスやEC(電子商取引)などに関わる企業が上位に挙がった。同社は、「ソーシャルエンジニアリングの悪用がこれまで以上に簡単になっている」と指摘する。
2017年上半期に迷惑メールで悪用された企業の上位12社(出典:F-Secure)
同社によれば、ソフトウェアの不具合が迅速に修正されるなどの動きが広まっていることで、脆弱性などを悪用するためのエクスプロイトキットが減少し、これに代わって迷惑メールがマルウェアや不正行為、詐欺を拡散させる手段に再浮上している。セキュリティ・アドバイザーのSean Sullivan氏は、「昨今は、電子商取引が極めて一般的なので、単純に『ご注文は配信できませんでした』と表示するだけでよい」と解説する。
攻撃者にとってリストに挙げられた企業の名称やブランドは、相手をだますためのおとりとして魅力的であり、顧客を含む関係者が多いことから、これらの企業になりすますことで犯罪を成功させている。
こうした動向にSullivan氏は、「セキュリティの意識を向上させる訓練を重ねるより、偶然に発見する能力を鍛える方が早いかもしれない」とし、なりすましなどの迷惑メールに備える以下の3つのポイントを紹介している。
- ユーザーは本当にzipファイルを受信する必要があるか確認する
- ユーザーのマシン上で何かを実際に実行するものからJavaScriptを分離する
- メールで受信したOfficeファイルからマクロスクリプトを無効にする