日本IBMは、8月2日、3日の2日間、東京・箱崎の日本IBM本社において、IBM Family Daysを開催した。
日本IBM社員の家族を招き、子供たちが、両親が勤務している会社を見学したり、IBMの技術や社員のアイデアをもとに考案された手作りのアトラクションを楽しむことができたりする恒例イベント。夏休み中の子供たちが両親とともに本社を訪れて、IBM Family Daysを楽しんだ。
IBM Family Daysは、箱崎本社以外にも各事業所で開催しており、本社では約4300人が登録。前年の4000人を上回った。4月1日付で日本IBMの社長に就任したエリー・キーナン氏も、IBM Family Daysに参加。社員の家族とともに記念撮影をしたり、特別に社長室を公開して、社員の家族と触れあった。
今回のIBM Family Daysでは、いくつかの新たな取り組みも行われた。
1つは、2016年までは紙で配布していたパンフレットを廃止。600台のiPadを用意して、そこからフロアマップやイベントスケジュールなどが閲覧できるようにした点。参加者は、iPadを持って社内を移動。イベントスケジュールを確認したり、iPadのカメラ機能を使ってスタンプラリーを実施したほか、キーナン社長からのビデオメッセージを視聴することもできた。
さらに、Watsonの翻訳機能を活用して、世界の言葉に触れることができるイベントや、IBMリサーチが開発した技術により、歩いた子供たちが、ガイコツになって表示されるデモストレーション、バーチャルリアリティの体験コーナーなどが用意され、人気のコーナーには、長蛇の列ができていた。
ここで使われている技術は、IBMリサーチなどがさまざまな分野で活用しているものだ。例えば、歩いている姿がガイコツになって表示されるイベントで使用された技術は、もともと認知症の早期発見に利用するために開発された技術だ。歩く姿をモーションセンサで画像データとして取得。筋肉の動きや関節の負荷、左右のバランスなどをチェックできる。これらの情報をもとに、認知症特有の歩き方と照合して、早期に発見し、認知症予防などにつなげるというものだ。
そのほかにも、感情を光で表現するコグニティブドレスの展示や、Watsonとビジュアルプログラミング言語を体験できるコーナー、テープドライブの開発現場の公開、テニス部やアメフト部、ラグビー部によるイベントなども用意された。
また、この日は、レストランやカフェテリアで、特別メニューを用意。シェフワトソンが考案したレシピによる「ワイルドダックリゾット」や、お子様カラー、お子様ランチが提供された。ワイルドダッグリゾットは、IBMの「野鴨の精神」にちなんで用意されたメニューだという。