エイチ・アイ・エス(HIS)は8月22日、国内バスツアーサイトの利用者の個人情報が外部に流出したと発表した。発表時点で流出情報の悪用による被害は報告されていないという。
問題の起きたウェブサイトは、首都圏を出発地とするバスツアーを扱っていたという。流出した情報は、3月18日午後4時3分から7月27日午後5時半間に、8月~12月出発分のツアーを予約した最大4566人分の代表者の情報(漢字およびカタカナの氏名、性別、年齢、メールアドレス、住所、電話番号、ツアー名、出発日)と、最大7017人分の同行者の情報(カタカナの氏名、性別、年齢、電話番号、ツアー名、出発日)、最大392人分の緊急連絡先の情報(カタカナの氏名、電話番号)の合計1万1975人分。クレジットカード番号や金融機関口座情報は含まれないとしている。
流出原因は、このサイトをリニューアルした際、旧サイトの申し込み済み顧客の予約データを誤って公開領域に保存していたことだという。第三者が外部からこのデータに不正アクセスしており、圧縮ファイルがダウンロードされていた痕跡が見つかった。情報流出は8月17日に同社が契約しているセキュリティ技術者の指摘で発覚。このサイトに関する情報が外部サイトに記述されていたという。
同社は21日までに警視庁新宿警察署へ相談するとともに、観光庁や個人情報保護委員会、日本旅行業協会、日本情報経済社会推進協会に事態を報告した。情報が流出したツアーの代表者にもメールで連絡している。
問題の起きたウェブサイトは、他のオンライン予約サイトとは分離して運営されているといい、同社では不正アクセスによる影響はないと説明。今後は第三者専門機関によるセキュリティ診断などチェック強化や内部チェック体制の厳格化、システム開発管理体制の強化と情報セキュリティリテラシー向上のための情報システム部門スタッフへの教育研修体制を実施して、再発防止に努めるという。
個人情報の流出を明らかにしたエイチ・アイ・エス