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データで思い込みを排除しろ--急成長オンライン書店のビッグデータ活用法 - (page 2)

Tas Bindi (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-09-12 06:30

 しかしこの仮説も、間違いであることが証明された。ショッピングカートのページに送料を表示すると、顧客転換率は7%、顧客1人あたりの売り上げは7.9%減少した。

 「これは(送料を)表示するか隠すかという問題ではない。これは情報をどこで示すかという問題であり、そのことが顧客体験にプラスに働く」とAtechian氏は述べている。

 「当社は、他人が正しいと考えることにただ従うことをせず、まずそれを検証し、当社の環境でも正しいかどうかを確かめた」

 「企業は、まず自社の顧客で検証を行わない限り、他社のソリューションを安易に採用すべきではない。業界標準だと見なされていることであっても、自分の会社にとっては最善の選択ではない可能性がある」(Atechian氏)

受賞マーク

 Baskin氏はもう1つの例として、6年前にBooktopiaに参加したグラフィックデザイナーの話をした。このデザイナーは当時、ウェブサイトのヘッダーが乱雑になりすぎているとして、同社がさまざまな賞を受賞している(つまり社会的な評価を得ている)ことを示すマークを削除した方がよいと提案した。デザイナーの考えでは、そうすることによって、顧客は検索バーを見つけやすくなるはずだった。

 しかし、ヘッダーから受賞マークを削除してみると、Booktopiaの顧客転換率は2%減少した。

 「当時の売り上げが5000万豪ドルだとすれば、受賞マークを削除しただけで、売り上げを100万豪ドル失ったことになる」とBaskin氏は話す。

 これらのエピソードは、例え一見論理的ではないように見えても、個人的な思い込みよりも、データを信頼することが重要であることを示していると、同氏は言う。

 Baskin氏は、「多くの古いタイプのマーケティング専門家や、実店舗を経験した人たちは、理解できないという理由でデータを信用しないことがある。特に2つのデータの関連性が見えない場合にそうなる傾向が強い。そういった人たちは完璧さを追求しようとするが、ビッグデータには完璧は存在しない」と述べている。

 「あるデータポイントだけを見て、何か意味があるように見えたとしても、さまざまなデータポイントをすべて組み合わせて全体像を見れば、まったく異なる状況が見えるかもしれない」(Baskin氏)

 Baskin氏は、一見相関が分かりにくい現象の例として、父親世代の顧客が高価なオーストラリアフットボールリーグの書籍を購入する際、自分の趣味に大金を費やす罪悪感を和らげるために、子ども向けの本も何冊か一緒に買うことが多いという話を挙げた。

 Atechian氏もBaskin氏の考えに同意し、顧客に関する事実を発見するプロセスでは、中立性を保つことが重要だと語った。

 「行動を起こすことのできる事実を、データから引き出そうとするときには、中立性が大事だ。特定の自分の考えにこだわって、その考えをデータで証明しようとすべきではない。そうすれば間違った方向に進んでしまうことになる」と同氏は述べている。

 Atechian氏はこの3年間、Booktopiaの「規律」が厳しくなり、実験による検証を行うことが増えたのに伴い、デスクトップユーザーの顧客転換率は40%上昇し、モバイルユーザーの顧客転換率は50%も上昇したと述べている。

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