日本IBM 取締役専務執行役員GTS事業本部長のVivek Mahajan氏
日本IBMは9月26日、グローバル・テクノロジー・サービス(GTS)事業の戦略と「IBM Services Platform with Watson」の位置付けに関して説明を行った。
IBMは、30年以上に及ぶアウトソーシングサービスの提供経験を持つ、「世界最大のITサービス事業体」だという。ユーザー企業のシステムの運用管理をマネージドサービスとして引き受けるGTSの事業は、グローバルでも日本でも同社の中核事業であり、全事業の売上のうち、GTSが占める比率はおよそ4~5割に達するという。
日本IBM 取締役専務執行役員 グローバル・テクノロジー・サービス事業本部長のVivek Mahajan氏は、同社のGTS事業が圧倒的なナンバーワンであり、世界の主要企業のITインフラの継続的な運用を手がけることで「世界経済を支えている」との自負を示す。さらに、こうした経験から得られたノウハウに加え、大量に蓄積された運用データを解析して知見を得ることで、競合他社にはまねのできない大きな価値を引き出すことができ、それを使って、より高い品質のサービスを提供できるとした。
IBM Services Platform with Watsonでは、コグニティブとオートメーションの組み合わせでこれまで以上に高度なサービスを実現していく
鍵となるのは、「コグニティブ技術とオートメーションをITインフラに適用する」ことである。コグニティブで得られた知見/インサイトを活用して高度な自動化(オートメーション)を実現することで、「人がITを運用する」世界から、「ITが自動的にサービスをし続ける」世界の実現を目指していくという。
日本IBM GTS事業本部 デリバリー&トランスフォーメーション アドバンスド・オートメーション担当部長 IBM Services Platform with Watsonエバンジェリストの堀洋平氏
続いてGTS事業本部 デリバリー&トランスフォーメーション アドバンスド・オートメーション担当部長 IBM Services Platform with Watsonエバンジェリストの堀洋平氏が、IBM Services Platform with Watsonの詳細について説明した。
オートメーションやコグニティブを活用したサービスは、それを前面に押し出すというよりは、マネージドサービスの一環として必要に応じて適宜実装される形だ。いわば、IBM社内のツールとして活用されることで、より高度なサービスの実現を可能とする、という形だとイメージすれば分かりやすいだろうか。
ただし、将来的にはマネージドサービスを利用するユーザー企業以外にも個々のサービスを外出ししていくことも検討されているという。
サービス・プラットフォームの土台を構成するのが、過去30年以上の経験から蓄積された各種のデータの集積(データレイク)。このデータをWatsonが分析することで知見を抽出し、それを具体的なサービスに反映していく、という構造になっている