政府組織であるSmart Dubaiによると、ドバイのブロックチェーン戦略によって、1年あたり2510万人時間、金銭に換算すると55億ディルハム(約15億ドル)もの削減が可能だという。Smart Dubaiは、スマートテクノロジを活用して「国民や、国外からの訪問者に対して、効率的かつシームレスで安全な、そして感銘をもたらすようなシティエクスペリエンスの実現や強化、促進を図る」ために設立されている。
こうした生産性向上の多くは、電子ドキュメント処理を実施するペーパーレス政府に移行し、1年あたり約1億件にもおよぶ紙ベースの作業をなくすことによって実現されるという。
Adly氏は、「今後の数年間で、ビジネス取引や、価値の格納、契約、データ管理、セキュリティ、通信などの分野がブロックチェーンによって変革されるはずだ」と予測している。
ブロックチェーンがもたらす機会
ArabianChain Technologyの最高経営責任者(CEO)Mohammed Alsehli氏によると、ブロックチェーン戦略はドバイの目標、すなわちスマートエコノミーの世界的リーダーになり、起業家精神や競争力を高めるという目標に合致しているという。
Alsehli氏とWalid Messaoudi氏によって2016年2月に設立されたArabianChainの目標は、「起業家精神にあふれるものの考え方や、ブロックチェーンテクノロジがもたらすイノベーションによって、経済やeサービス、デジタル変革に対する政府や企業、人々の捉え方や、それらへの取り組みを変革する」こととなっている。
ArabianChainは、UAEやサウジアラビア、クウェートで事業を展開しており、最近になってさらなる事業拡大のために300万ディルハム(約82万ドル)の資金を調達したところだ。
coinmarketcap.comによると2013年におけるすべての暗号通貨とデジタル資産の資産総額は10億ドルだったが、Alsehli氏が米ZDNetに語ったところによると現在ではおよそ940億ドルにまで増えているという。
「これは、4年という歳月を考えると相当な伸びだ。このことから、普及のスピードや、同テクノロジが当たり前の存在になるまでの期間が推し量れるはずだ」(Alsehli氏)
Alsehli氏によると、大企業はブロックチェーンに秘められた力に気付いており、多くの政府も既に同テクノロジを活用した目標達成に向けたロードマップを描いているという。