企業のホスティング・クラウドサービス予算はさまざまな分野に投じられおり、支出先は上位から順にバックアップ・リカバリ(15%)、生産性アプリ(10%)、ウェブサイトのホスティング(9%)、電子メールのホスティング(9%)となっている。少なかったのは開発ツール、通信、DaaS(サービスとしてのデスクトップ)で、すべて3%だった。
クラウドで処理されているワークロードの上位を占めたのは、現在と今後12カ月間の両方の調査項目で、通信・コラボレーション、バックアップ・災害復旧、生産性アプリだった。

データ:Spiceworks/図表作成:ZDNet
ワークロードに関する11の分野のうち6つでは、現在クラウドを導入していると答えた回答者よりも、今後12カ月間で導入すると答えた回答者の方が多かった。これに当てはまる分野は、ハイパフォーマンスコンピューティング、サプライチェーンマネジメント、研究開発・エンジニアリング、ソフトウェア開発、eコマース、生産性アプリだ。
ワークロードをクラウドに移行する主な理由には、どこからでもデータにアクセスできるようにする(42%)、災害復旧能力を強化する(38%)、柔軟性・拡張性を高める(37%)、ITスタッフのサポートにかかる労力を減らすなどの項目が並んだ。より影響力の少ない移行理由には、設備投資費の削減(28%)、ストレージ容量の増強(26%)、データセキュリティの改善(26%)などが挙がっている。
同レポートの最後の節では、(やや)新しいさまざまなテクノロジの導入状況について扱っている。これには、SDS/仮想SAN、IaaS、PaaS、SDN、ハイパーコンバージェンスなどの、XaaSに分類されるいくつかのサービスが含まれている。

データ:Spiceworks/図表作成:ZDNet
この予想と調査データは、パブリッククラウドサービスの幅広さや、最近の導入のパターンを示すものだ。
結論
IT業界では「あらゆるもの」が、インターネットを通じてサービスとして提供されるようになってきている。アウトソーシングと社内での構築との間にはトレードオフがあるが、サービスプロバイダーがオープンな姿勢を保ち、購入側が適正な評価を行っていけば、企業はワークロードやビジネスプロセスを最適な形で社内と外部に割り振れるはずだ。
ただし、XaaSの取り込みが進み、(特に)IoTの存在感が高まってくると、インターネットの帯域や遅延、データの格納・取り出しにかかる時間などの問題が差し迫った課題になる可能性が高い。また、複数クラウドの統合、管理、安全性確保の必要性も課題になるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。