SMFGとSMBC、RPAとOCRで事務作業の入力効率化

藤本和彦 (編集部)

2017-11-13 14:52

 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と三井住友銀行(SMBC)は、データキャプチャ技術で紙帳票を電子化し、グループ全体の抜本的な業務効率化を支援するOCR(光学文字認識)基盤を構築した。

 営業店でのデジタル化などによりペーパーレス化に取り組む一方、依然として紙帳票が大量かつ複数に存在。事務センターを中心に人手による入力作業の効率化が求められてきた。市場の高齢化に伴って今後増加が見込まれる業務への対応も必要となる。OCR基盤とRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を連携する仕組みを構築することで、生産性向上と業務効率化を進めている。

 データキャプチャ技術には「IBM Datacap Insight Edition」を採用した。画像処理、自然言語処理、機械学習の技術を組み合わせることで、文書の分類と内容の把握を自動化する。自動帳票分類やテキスト分析といった機能を備え、非定型帳票を含む紙資料から銀行業務に必要な情報を抽出する。少量多品種の帳票にも対応し、RPAと連携することで、これまでRPA単体では難しいとされる紙を使った業務効率化も可能になるとしている。

 OCRソフトについては、Datacapに標準搭載のものに加えて、他社製ソフトと組み合わせることも可能。SMFGとSMBCでは、帳票別・項目別に最適なソフトを組み合わせて実装を進めているという。

 また、複数の業務に対応する共通利用構造になっている。個別登録が必要だった辞書や文字を認識するOCRエンジンを共通利用できる。実装を短期化するほか、構築費や運用費の削減も見込む。

 SMFGとSMBCでは、事務センターへの適用だけではなく、営業店後方や本部まで適用を拡大していく予定としている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]