ミック経済研究所は1月22日、サイバーセキュリティシステム開発(SI)サービスの市場動向を発表した。同市場は激化するサイバー攻撃への対策が進み、2016年度は前年対比111.3%の2228億5000万円、2017年度も前年対比110.1%の2453億9000万円と高成長が続くと予測する。調査期間は2017年10~12月。
今回の調査結果について、ミック経済研究所は、サイバー攻撃が多様化し従来のセキュリティシステムでは守りきれないケースが増えており、大手企業を中心にセキュリティシステムの強化が進んでいることなどが成長の要因となっていると分析する。
サービスカテゴリ別で見ると、2016年度はゲートウェイセキュリティが売上構成で最大のウエイトを占めた(42.6%)。売上高は前年対比109.3%の949億6000万円。サイバー攻撃の多様化と激化を受けて多層防御の重要性が増しており、複数の製品を組み合わせた強固なゲートウェイシステムを構築する企業が増えているという。2017年度は前年対比106.0%の1354億2000万円に拡大すると見込む。
サービスカテゴリの中で最も高い成長を見せているのがエンドポイントセキュリティ。2016年度、2017年度は20%を超える成長率を示している。標的型攻撃やランサムウェアなどの被害が拡大する中、入口対策では守りきれずエンドポイントセキュリティを強化する流れが加速しており、今後も高い成長率が続くと予想される。
プライベートクラウドおよびパブリッククラウド環境でのサイバーセキュリティシステム開発については、2016年度が前年対比128.9%の162億7000万円、2017年度は前年対比130.2%の211億8000万円と大きく成長。Amazon Web Servivces(AWS)をはじめとしたパブリッククラウドでのシステム構築が増えており、その際にセキュリティシステムも一緒に構築するケースが多くなっているという。今後もクラウドサービスの利用が進む中で、2021年度は2016年度の4.2倍となる683億2000万円の売上規模を予測している。
2016年度用途別出荷ウエイト(出典:ミック経済研究所)