「Corda on Azure」の協業 --R3、MS、iSiDがTokyo Corda Meetupで - (page 2)

阿久津良和

2018-02-07 07:30

 金融サービスソフトウェアを提供する英Finastra(MISYSとD+Hが合併)は、金融機関単独では不可能な貸し付けを複数の金融機関で担うシンジケートローンの業務簡素化をR3 Cordaで実現した。同社はウェブアプリケーション「LenderComm」を開発し、ウェブポータル上で情報共有を行うことで、各金融機関による情報共有を容易にしている。

 もう1つは英FCA(金融執行機関)。英国では住宅ローン情報を四半期ごとに報告する規制があり、各金融機関がデータを取りまとめる必要がある。この煩雑な作業を改善するため、FCA側にもノードを立ち上げ、住宅ローン情報が記帳されたタイミングでデータをリアルタイム共有する仕組みをR3 Cordaで構築した。この背景にはCorda自体が当初から当局への対応を想定して開発した経緯が大きい。R3 Cordaはデータプライバシーを保護するため、取引データを当事者間のみ共有しているが、規制当局に対してはワークフローを共有する仕組みを備えているという。なお、本プロジェクトについては2018年内の商用化を目指している。


FCAによるR3 Corda導入事例

 本イベントでは、Cordaを設計した技術者の1人、R3 チーフエンジニア James Carlyle氏による構造説明や、日本マイクロソフト アーキテクト 廣瀬一海氏によるMicrosoft Azure上でのCorda運用デモンストレーションを披露。Microsoft Azure Marketplaceには、CorDappsの設計や構築、テストが可能な「Corda Demo」や、Cordaノードの事前構成済みネットワークを構築する「Corda Single Ledger Network」を用意している。「CorDappの安全性確認や、開発環境として使う上で便利」(日本マイクロソフト アーキテクト 廣瀬一海氏)だという。

 なお、イベント中にはR3、日本マイクロソフト、電通国際情報サービス(iSiD)3社が「Corda on Azure」における協業を発表した。実業務の適用を前提にCordaおよびR3 Cordaに対する実証実験の協働提供を開始する。

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