55万人のメンバーを擁するインターネットでも最大級のLinuxユーザーグループ「LinuxQuestions」は、Linuxデスクトップユーザーに対する最新の調査の結果を投稿した。約1万人が投票に参加したこの調査では、最も人気のあるLinuxディストリビューションに「Ubuntu」が選ばれた。
Ubuntuは以前から人気があったが、ここしばらくはその人気に陰りが見えていた。しかし今では、再びファンを取り戻しているようだ。Ubuntuのデフォルトデスクトップに採用された「Unity」は、これまであまり支持されてこなかったが、Ubuntuのデフォルトデスクトップは、2017年4月に「GNOME」に戻った。どうやらこの一手が、古いファンを呼び戻すと同時に、新たなファンの獲得にもつながったと見られる。
Ubuntuに投票したある長年のLinuxユーザーは、「今回は古くからのお気に入りであるFedoraを差し置いて、Ubuntuを選ぶしかなかった。これは、Ubuntuはクリーンインストール後のセットアップが短時間で簡単にできるからだ。最近のUbuntuは、本当に簡単にセットアップできる」と述べている。
わずかな差で2位になったのが「Linux Mint」だ。Mintは、使いやすいLinuxデスクトップを求めるユーザーや、WindowsからLinuxに切り替えようとするユーザーに人気がある。
古くて低速なハードウェアでも動作するLinuxを求めるユーザーは、軽量ディストリビューション部門で「Puppy Linux」を選んだ。この部門では「antiX」が僅差で2位となっている。どちらを使っても、1999年のPentium IIIを搭載したPCでさえ、高品質なLinuxを利用できる。
常に熱い戦いが繰り広げられるデスクトップ環境部門では、「KDE Plasma Desktop」が勝利した。その後には、軽量デスクトップの「Xfce」「Cinnamon」「GNOME」が続いている。
Linuxがプレインストールされているコンピュータで人気があったのは「System76」で、ほかに大差をつけての勝利を収めた。ほかにもLinuxをインストールしたコンピュータを販売している会社は数多くあり、例えばDellや、Linux専業の小規模メーカーである「ZaReason」「Penguin Computing」「Emperor Linux」などもLinux PCを販売している。
例年通りの結果が出た部門も多かった。例えば、Linuxユーザーは以前からブラウザとして「Firefox」を好んでおり、今回の調査でも多くの人がFirefoxを選んでいる。Firefoxと2位の「Google Chrome」との票差は5倍にもなった。またメディアプレイヤー部門では、今回も圧倒的な差で「VLC media player」が選ばれた。