オープンテキストは2月22日、プライベートイベント「opentext Innovation Tour Tokyo」を都内で開催した。カナダ本社のバイスチェアマン 最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)のMark Barrenechea氏も来日して基調講演を行った。
オープンテキスト 代表取締役社長の萩野武志氏
OpenText バイスチェアマン CEO&CTOのMark Barrenechea氏
同イベントは、OpenTextのデジタルビジョンやロードマップ、EIM(Enterprise Information Management:企業情報管理)プラットフォームを強化する同社のポートフォリオについて説明するもの。あいさつに立ったオープンテキストグループ 代表取締役社長の萩野武志氏は、同イベントがカナダで開催されるEnterprise World」(2018年は7月10~12日、トロントで開催予定)というイベントの日本版であることを紹介、来場者の「デジタルトランスフォーメーションのサポート」という狙いで開催するものと語った。
続いて登壇したBarrenechea氏は、まず同社自身を「The Information Company」だと定義した上で、「EIM市場のリーダーであり、コネクテッド(相互に接続された)かつインテリジェントな(高度に情報化された)組織を実現するための、エンタープライズ・ソフトウェアとクラウドソリューションを提供する会社」と紹介した。
EIMは、かつては文書管理といったごく狭い領域のソリューションだと見なされていた時期もあったようだ。しかし現在では、構造化データ/非構造化データはもちろん、コミュニケーションのログからIoTデバイスや各種センサの出力情報まで、組織内部に存在するデータ全てをまとめる大きなコンセプトになっている。同氏はデジタルトランスフォーメーションにおけるEIMの重要性を強調し、「かつてSAPやOracleがERPを完成させたように、OpenTextはEIMを完成させる」と語った。
また同社のプラットフォームでは、データ分析のために人工知能(AI)を積極的に活用している点も特徴して挙げられるだろう。AIについてBarrenechea氏は「一時的なブームなどではなく、本物だ」と語り、AIに取り組むことの重要性を強調。同氏は端的に、Data Lake(データ・レイク)に貯め込まれた膨大な情報をAI/ディープラーニングを活用して探索することで抽出した洞察が、EIMの情報として意味を持つことになるとした。OpenTextでは“Magellan(マゼラン)”というAI技術を組み込んだ事前構成済みのデータ分析プラットフォームを開発しており、さらに設定不要の機械学習モジュールも用意するという。
データの価値や重要性が急速に認知され始めた今、同社の言うEIMに対する理解も急速に深まっていくことになるのではないだろうか。