IDC Japanは3月5日、国内のトラディショナルPC(デスクトップ、ポータブル、ワークステーション)市場の出荷実績値を発表した。これによると、2017年通年(1~12月)の国内出荷台数は、法人市場が前年同期比5.3%増の672万台、家庭市場が同2.4%増の427万台となり、合計で同4.1%増の1099万台となった。
2008年~2017年 国内トラディショナルPC市場 出荷台数および対前年成長率
(出典:IDC Japan)
2017年通年の企業動向を見ると、NECレノボ グループと富士通は若干シェアを落としたものの、順位はそれぞれ1位、2位を維持。日本HPとデルは2017年に引き続きシェアを伸ばし、それぞれ3位、4位となっている。
国内トラディショナルPC市場 企業別出荷台数およびシェア
(出典:IDC Japan)
2017年第4四半期(10~12月)の国内出荷台数は、法人市場が同11.6%増の166万台、家庭市場が7.0%減の103万台となり、合計で同3.7%増の269万台となった。
法人市場は2016年第2四半期(4~6月)以降順調に回復している。IDC Japanは、2017年に入ってからの拡大の背景として2013年~2014年の前半に大量に購入されたPCの買い替えが発生していることを挙げている。また、2020年1月に予定されているWindows 7の延長サポート終了を見据えたWindows 10搭載PCへの買い替えプロジェクトが発生していることも指摘している。
家庭市場については、2017年第1四半期(1~3月)から続いていたプラス成長が第4四半期に息切れした結果となった。第1四半期以降の好調はAppleのけん引によるところが大きかったという。IDC Japanでは、第4四半期にはAppleが2桁の減少に転じたことが家庭市場のマイナス成長の要因の1つと見ている。
2017年第4四半期における上位5社のシェアについては、NECレノボ グループと富士通がそれぞれプラス成長を達成して1位、2位となった。毎四半期に3位を巡って日本HPとデルが僅差で争っているが、第4四半期については日本HPが制する結果となった。
2017年第4四半期 国内トラディショナルPC出荷台数 トップ5社シェア
(出典:IDC Japan)
調査結果のポイントは下記の通り。
- NECレノボ グループは法人市場の伸びが家庭市場の低調を穴埋め。全体ではマーケット平均の3.7%増を大きく上回る前年同期比6.7%増を達成
- 富士通は法人市場および家庭市場とも好調で、全体で同4.0%増。特に教育分野での伸びが目立った
- 日本HPは法人市場、家庭市場ともに2桁成長を達成。全体で同13.9%増と上位5社の中で最も高い伸びを示した
- デルは家庭市場での拡大が2年間続いていたが一段落。法人市場でもやや弱めだったこともあり、全体で同0.1%減となった
- 東芝は全体で同17.4%減だったが大企業向けは順調だった