GoogleのQuantum A.I. Labが、72量子ビットの量子プロセッサ「Bristlecone」を発表した。従来のスーパーコンピュータでは及ばない計算能力を達成する「量子超越性」の実現を目指すという。
量子超越性は、量子コンピューティングを目指す道のりで重要なマイルストーンになる。量子プロセッサのエラー率を十分に抑えて動作させることができれば、特定のコンピュータ科学の計算で、従来型のスーパーコンピュータを凌ぐことができるからだ。
Intelが1月に、49量子ビットの量子チップを発表するなど、テクノロジ大手がしのぎを削って量子コンピューティングプロジェクトに取り組んでいるのはそのためだ。
Quantum A.I. Labの研究科学者であるJulian Kelly氏によると、同社は「Bristleconeで量子超越性を達成できると、慎重ながら楽観的に考えている」という。
研究者はまだ量子超越性を達成できていないものの、Googleは49量子ビットと量子回路の深さ40以上、2量子ビットのエラー率0.5%未満で実現する可能性があると考えている。
Googleの研究者は、量子ビットの数を72個に増やした新しいBristleconeで、先行版の9量子ビットの量子プロセッサとほぼ同じエラー率など、同程度の性能を目指している。以前のデモでは読み出しのエラー率が1%、単一の量子ビットゲートでは0.1%、そして最も重要な2量子ビットゲートでは0.6%だった。
「Bristleconeのようなデバイスで低いシステムエラー率を実現するには、ソフトウェアと制御用電子回路からプロセッサ本体まで、すべての技術が調和せねばならない。それをうまく達成するには細心の注意を払って、何度もシステムエンジニアリングを行う必要がある」(Julian Kelly氏)
提供:Google
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。