Microsoftは米国時間12月11日、「Quantum Development Kit」のプレビュー版を無料で公開した。
Quantum Development KitはQ#プログラミング言語とコンパイラ、ローカル用の量子コンピューティングシミュレータなどで構成され、「Visual Studio」と統合されている。開発者が40論理量子ビット以上のコンピューティングパワーをシミュレートできるAzureベースのシミュレータのほか、ドキュメンテーション、ライブラリ、サンプルプログラムも用意する。
Microsoftは9月に開催したイベント「Ignite」で、量子コンピュータ向けのツールを提供する計画を発表していた。
量子コンピュータは並列処理が可能で、さまざまなワークロードで新しいタイプのアプリケーションを実現するとされている。素粒子物理学の力で、従来のコンピュータとはまったく異なる方法でデータを保持し、問題を解くよう設計されていると、米ZDNet向けに記事を執筆しているTony Baer氏は説明している。その結果、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野で扱われている問題の一部をより効率的に解ける可能性があるという。
Microsoftによると、量子コンピューティングシミュレータで実行できるよう構築したアプリケーションはいずれ、汎用的な量子コンピューティングに向けてMicrosoftが開発中の量子コンピュータ上で動かすことができるようになるという。Microsoftは、量子コンピューティングハードウェアと、関連する完全なソフトウェアスタックを含む本格的な量子コンピューティングシステムの構築を目指している。
量子コンピューティングシステムに取り組んでいるのはMicrosoftだけではない。IBMは5月、17量子ビットのプロセッサのプロトタイプを発表しており、50量子ビットのプロセッサのプロトタイプも明らかにしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。