Gartnerは米国時間3月21日、2018年の世界的なIoTセキュリティに対する支出が前年比28%増の15億600万ドル(約1600億円)まで増えるとする調査結果を発表した。2017年の推定支出額は11億7400万ドルだった。
同調査では、2021年にはIoTセキュリティ支出が31億1800万ドルに達するとも予想している。
Gartnerの調査ディレクターRuggero Contu氏によれば、企業は現在「インターネットに接続されるスマートデバイスで使用されているソフトウェアやハードウェアの出所や性質をコントロールできない」ことが多く、このことが支出増の要因になっているという。
同社はさらに、IoT導入のためのベストプラクティスやツールが存在していないことで、2020年までのIoTセキュリティに対する潜在的な支出が80%抑制されるとも述べている。
今後は、規制もIoT支出に関する判断に影響を及ぼす要因の1つになってくる。EUの一般データ保護規則(GDPR)がまもなく発効することもあって、データ保護に対する意識は世界的に高まっており、IoTデバイスも懸念材料の1つになっている。
スマートデバイスの標準やプロトコルは依然として分裂状態にあるが、工業部門や医療部門などの規制が厳しい産業で必要性が高まっていることもあって、今後は業界規模の技術標準が定められる可能性が高いとみられる。
Contu氏は、「センサ、ロボット、クラウドベースのサービスを通じたリモート接続などの、インテリジェントなネットワーク接続デバイス導入による業務プロセスのオートメーションの改善に対する関心が高まっている」と付け加えている。「産業用モノのインターネット(IIoT)やインダストリー4.0とも呼ばれるこのイノベーションは、すでにエネルギー産業、石油・ガス産業、運送業、製造業など、運用技術を導入している産業部門のセキュリティに影響を与えている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。