SAP Fieldglassを発表--企業が人材情報の共有基盤を構築

怒賀新也 (編集部)

2018-04-18 08:41

 SAPジャパンは4月17日、企業がさまざまな人材情報をプールし、ニーズに応じて専門人材をすばやく投入するための新たな人材情報の共有基盤として、「SAP Fieldglass」を日本市場で展開すると発表した。

 兼業や副業、フリーランスといった雇用関係によらない働き方が提唱される中で、人材会社などとも連携することで、企業が「タクシーを呼ぶように」、欲しい人材を確保できるようにする。「シェアリングエコノミー」の流れに沿ったクラウド基盤として提供する考えだ。

 通常、企業における人材獲得は部署ごとに人材紹介会社などを介して実施するため、人材の可視化が難しかった。Fieldglassを導入することで、企業は全社的な視点から、人材会社などとAPI(Application Programming Interface)連携したデータベースを通じて、人材を横断的に把握できる。

 SAPジャパンの社長を務める福田譲氏は「経営者目線で言えば、支出管理の改善という利点がある」と指摘。人材に関するコスト抑制効果も見込める。

 SAP Fieldglassの機能として、「人財」ポートフォリオを進化させるタレントプール、派遣法に対応した雇用契約管理と採用プロセス、準委任と請負の業務委託契約に対応したサービス調達管理、人材の入社時支援(教育・研修プロセス)と退社時支援(退職、離職プロセス)の自動化、深夜手当や休日手当など36協定に準じたタイムシート管理、マシンラーニングによる予測型ダッシュボード「Live Insights」を挙げている。

 2014年にSAPが買収したFieldglassは、世界で650社を超えるユーザーを持つ。顧客維持率は99.6%と高く、180カ国で利用されているという。日本では、今後3年間で数百社への導入を目指す。当初は大企業を中心とし、3年をめどに中小企業にも提供範囲を広げていく。

 福田氏は米Microsoftが買収したLinkedInとは「競合というより協調関係にある」と話す。LinkedInを含め、さまざまな人材系のプラットフォームとAPIで連携することで、人材集約の場としてFieldglassの機能が高まるとしている。

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