東北大学、国際航業、エイツー、NECは5月10日、共同開発した「リアルタイム津波浸水・被害推定システム」を中核とした大学発ベンチャー「株式会社RTi-cast」を設立した。資本金は9600万円で所在地は宮城県仙台市。
RTi-castの出資比率(2018年7月予定)は、国際航業が41.7%、東北大学ベンチャーパートナーズが31.3%、エイツーが15.6%、NECが10.4%、その他が1.0%となっている。
筆頭株主の国際航業が会社運営の中心を担う。高精度な津波の伝播・浸水シミュレーションを可能とする解析モデル開発および地形モデルの構築を行い、断層推定や被害推計のコンサルティングサービス事業、情報配信事業を展開する。
エイツーは、地震によって沖合で励起された津波の高さ分布(津波波源モデル)を津波浸水・被害推計の初期条件として提供するシステムなどの開発・運用を担当する。
NECは同社製スーパーコンピュータ「SX-ACE」「SX-Aurora TSUBASA」を利用した「津波浸水・被害推計シミュレーションプログラム」の高速化と大規模並列化、スーパーコンピュータを用いたリアルタイム津波浸水・被害推定システムの構築・運用を実施する。
リアルタイム津波浸水・被害推定システムは、津波の浸水による被害推定を、スーパーコンピュータを用いてリアルタイムに予測するシステム。科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)で、産学連携による研究開発が進められてきた。2014年に総務省のG空間シティ構築事業で効果が実証され、2017年11月から東北大学と大阪大学の2拠点でSX-ACEを使用した内閣府での運用が始まっている。