北野建設は、従業員の長時間労働を抑止し「働き方改革」を支援する「FUJITSU Software IDリンク・マネージャー SaaS」を導入した。富士通エフサスが5月31日に発表した。
IDリンク・マネージャー SaaSは、ユーザーIDごとにPCの利用時間を管理し、所定外労働時間における申請がない労働を抑止するクラウド型サービス。これまで労務管理者の目が行き届きにくかった建設現場における勤務状況を可視化し、労働時間を適正に把握することで、過重労働の抑止に役立てられるという。
富士通エフサスによると、近年、国際スポーツイベントに向けたインフラ整備や再開発工事、オフィス需要の高まりなどにより、建設業界全体において繁忙状況が続いている。一方、官民挙げた「働き方改革」の推進は加速を増し、各企業において長時間労働の是正に向けた一層の努力が求められている。
こうした中、建設現場に勤務する社員は、直行直帰の勤務形態で労務管理上一定の裁量があるため、長時間労働を抑制することが難しく、労務管理方法の見直しが課題となっている。北野建設では、こうした課題を解決するため、IDリンク・マネージャー SaaSを導入した。
従来、建設現場における現場事務所は、短期間で開設と閉鎖を繰り返すほか、社内ネットワークに接続されていないケースが多いため、オンプレミス型サービスの適用が難しかった。しかし、今回、クラウド型サービスを利用することにより、場所や端末に依存することなく、事務所開設に合わせた柔軟な運用が可能となった。
さらに、残業が必要な場合は、予定時間や業務内容を上司へ申請するワークフローを取り入れ、上司と部下のコミュニケーションを促進することで、一人ひとりの時間意識が向上。生産性の高い働き方に変革することができたとしている。この結果、北野建設では3割以上の社員が前年比10%以上の残業時間短縮を実現したという。

システム概要図(出典:富士通エフサス)