Oracleは米国時間6月5日、顧客のクラウドへのアプリケーション移行作業を支援するためのツールやサービスのパッケージ「Oracle Soar」を発表した。
Oracle Soarは、一連の自動移行ツールとコンサルティングなどのプロフェッショナルサービスを組み合わせたものだ。このソリューションは、サービスの自動化でほかのクラウドサービスとの差別化を図ろうとする、同社の最近の試みとも方向性が一致している。
同社によれば、包括的なソリューションであるOracle Soarを利用した場合、個別のソリューションを組み合わせて移行を行うアプローチと比べて、コストを最大で30%削減できるという。また時間も30%短縮可能で、アプリケーションをオンプレミスで実行している顧客は、「Oracle Cloud Applications」へのアップグレードを20週間程度で実現できるとしている。
Oracle Soarには、プロセス分析ツール、自動化されたデータと設定の移行ツール、統合ツールが含まれているほか、顧客企業が最良の形で移行を進められるように支援する、専門のコンシェルジュサービスも含まれている。また、顧客は「Oracle University」で同社の新しい技術に関するオンライントレーニングを受けることができ、移行後1年間は、新しい技術がスムーズに導入できるように、カスタマーサクセスマネージャーの支援も受けられるという。モバイルアプリケーションから、移行の状況を監視できる機能も提供される。
ほかのクラウドプロバイダーでも移行ツールは提供されており、例えばAmazon Web Services(AWS)には、さまざまな移行ツールのリポジトリである「AWS Migration Hub」が用意されている。しかし、Oracleの北米アプリケーションコンサルティング担当シニアバイスプレジデントBeth Boettcher氏によれば、Oracle Soarはコンサルティングや教育まで含めたより包括的なソリューションを提供しているという。
現時点でOracle Soarが利用できるのは、「Oracle ERP Cloud」「Oracle SCM Cloud」「Oracle EPM Cloud」に移行する「Oracle E-Business Suite」「Oracle PeopleSoft」「Oracle Hyperion Planning」の顧客だ。
また今後は、「Oracle HCM Cloud」に移行するPeopleSoftとE-Business Suiteの顧客や、「Oracle CX Cloud」に移行する「Oracle Siebel」の顧客にも対象を広げる予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。