企業におけるデジタル変革は成熟しつつあるが、リーダーシップとスキルに関しては不足が生じているーーMIT Sloan Management Review(MIT SMR)とDeloitte Digitalが先週発表した報告書から、その傾向が明らかになった。
この報告書は年に1回発表されるもので、7回目となる今回は世界の約4300人の企業幹部、マネージャー、アナリストを対象に、自社のデジタル成熟度について尋ねた。自社がデジタル変革の「早期段階にある」という回答は、前回から9%減った。一方で「開発段階にある」という回答は3%増加し、「成熟段階にある」は5%増えている。
「今年の調査から、さまざまな業界の幹部が自社のデジタル変革を成熟させるために投資を進めていることが分かる」とDeloitte Consultingのプリンシパルでレポートの共同執筆者であるDoug Palmer氏はプレスリリースで述べている。「特に、デジタル成熟度が高い企業はリーダーと従業員レベルの両方でデジタル人材を育成しており、実験的取り組みや学習、コラボレーションを市場で行えるような条件を生み出している」(Palmer氏)。
デジタル成熟度の高い企業は、これまでの自社環境をデジタルにシフトさせるために必要な変革に着手している。しかし、まだなすべきことは多い。特にリーダーシップの育成が課題だという。
デジタル変革の成熟段階にあると回答した企業のうち50%以上は、デジタル変革の成功のために新しいリーダーを必要としていると回答している。この割合は、早期段階にあると回答した企業では80%近くに上る。
成熟段階にある企業の64%は、今後のデジタル変革を導くリーダーを自社が効果的に育成していると回答した。この割合は、早期段階の企業では14%にとどまる。
回答者はまた、デジタル変革を加速するために自身のスキルのアップデートが必要であることも認めている。90%の回答者が年に一度以上は「デジタル環境で効果的に業務を遂行するためにスキルをアップデートする必要がある」としている。「継続的に」スキルをアップデートする必要があると感じている人は全体の44%だった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。