NTT東日本、権田酒造、渡辺製作所の3社は6月26日、酒造りのノウハウを可視化する実証実験を開始した。清酒製造工程にセンサを導入し、データを自動的に取得・遠隔確認するとともに、クラウドにデータを蓄積・解析することで、熟練技術者の技能を獲得する。
光アクセスサービス、公衆無線LANサービス、リモートアクセスサービスを組み合わせ、自宅や外出先からのリアルタイムでの状況確認を可能にする。また、オンラインストレージサービスも利用する。
実証イメージ(出典:NTT東日本、権田酒造、渡辺製作所)
具体的には、清酒製造における仕込み工程において、仕込蔵とタンク内部の3カ所に温度センサを設置し、発酵中の液体である醪(もろみ)の温度や室温を24時間連続で自動計測する。センサはネットワークに接続し、異常を検知した際にはインターネット経由でアラーム通知をする。
同時に、手動で計測したアルコール度数や糖度、作業記録を計測データにひも付ける。熟練者の技術や手法、高品質な製品が出来たケースを分析し、温度管理のデータモデルを作成。以後の清酒製造に活用する。
権田酒造では、同システムを用いた清酒製造を実施する。渡辺製作所は、光ファイバセンシングによるリアルタイムでの数値収集システムの開発・測定・運用の技術支援を行う。NTT東日本は、測定データを蓄積するクラウドサービス、遠隔確認を可能にするネットワークサービスを提供する。