MSがPower BIとAzure Data Warehouseの新機能を発表

Andrew Brust (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-07-13 12:06

 この数週間、Microsoft Azureのデータベースとアナリティクスに関する大きなニュースが次々と発表されている。米国時間6月27日には、Azureのデータストレージとデータ統合に関してさまざまな発表が行われた。また7月12日の朝には、Snowflake ComputingがAzure上でのデータウェアハウスサービスの一般提供を開始したという発表を行っている。同社のサービスはこれまで、Amazon Web Servicesでしか利用できなかった。

 同日にはさらに、ラスベガスで開催されるMicrosoftのパートナーカンファレンス「Inspire」に先駆けて、同社自身のデータウェアハウスサービスと「Power BI」に関する発表が行われた。

データウェアハウス

 データウェアハウスに関する発表は、「Azure SQL Data Warehouse」(SQL DW)に「instant data movement」と呼ばれる新機能が追加されたというものだ。

 この機能は、データウェアハウスのコンピュートノード間で極めて効率的にデータを移動できるようにするもので、「SQL Server Gen2」の利用者に提供される。データの移動が高速化されることで、カラムベースでテーブルをjoinするクエリのパフォーマンスが大きく向上するという。Microsoftは、新たな機能である「Azure Accelerated Networking」とこの機能を併用することで、ノードごとに最大1Gバイト/秒の速度でデータを移動できるようになると述べている。

 Microsoftは、SQL DW Gen2のストレージとキャッシュによる性能向上とこの新機能の組み合わせで、大幅な性能向上が期待できるとしている。実際同社は、調査会社GigaOm Researchに委託して「TPC-H」を使用したベンチマークテストでSQL DWと「Amazon Redshift」を比較し、良好な結果を得たと述べている。

 同社は今後、このTPC-Hによるベンチマークについて説明するブログ記事を公表する予定で、GigaOmのレポートもオンラインで閲覧可能になっている。

Power BI

 Power BIについては、ビッグデータ関連の発表とエンタープライズ利用関連の発表があった。

 ビッグデータ関連では、「Power Query」のセルフサービスのデータ準備ツールが強化された。このツールはWindows版の「Excel」にも組み込まれているものだが、今回の強化によって、Power BIのクラウドサービス上に保存されているデータも処理できるようになった。

 さらに、7月12日付けで「SQL Server Analysis Services」(SSAS)の多くの機能が統合されている。

 また、同社のエンタープライズ向けレポーティングサービスである「SQL Server Reporting Services」(SSRS)もPower BIに統合された。これにより、Power BIのクラウドサービスでSSRSのレポートをホストし、表示することが可能になる。

 エンタープライズ利用関連では、Power BIにMicrosoft Common Data Model(CDM)のサポートが追加されたほか、「Power BI Premium」に複数地域のコンプライアンス要求を満たす機能が導入された。これによって、特定データを特定の地域内に置かなければならないという要求に対応できるようになると同時に、データの読み込み時間も短縮されるという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]