IDC Japanは9月6日、国内ネットワークサービス利用動向に関する企業アンケート調査結果を発表した。これによると、企業は第5世代移動通信システム(5G)をモノのインターネット(IoT)で活用することに大きな期待を持っていることが分かった。
今回の調査は、回答企業に5Gがビジネスにどのように役立つと期待しているかを尋ねたもの。その結果、「単純に通信料を削減」(第1位)、「モバイルアクセスの快適性向上」(第2位)に次いで、「IoTデバイスによる膨大なデータ取得/活用」「ネットワークを介した低遅延のシステム制御/自動化」「膨大な数のIoTデバイスの接続」の3つのIoT関連項目が3~5位を占める結果となった。
IDC Japanによると、第1位の「単純に通信料を削減」と第2位の「モバイルアクセスの快適性向上」はいずれも、ネットワークに対するニーズ調査で常に上位に挙がる項目である。これらに関しては今回も順当な調査結果であったとしている。
また、IoT関連項目が3~5位であったことは、5GがIoT領域での活用を前提とした新規格であるとの認識が市場に浸透しており、かつ期待が高まっていることを裏付けるものであると見ている。特に第3位が「IoTデバイスによる膨大なデータ取得/活用」であったことは、「IoT×データ分析」による新たな価値創出への高い期待を示すものだと指摘する。
一方、IoT関連よりも期待が高くなかったのが、「固定回線の代替」(第6位)と、「高精細ビデオ(4K/8K)による臨場感の向上」(第7位)、「拡張現実(AR)/仮想現実(VR)の活用」(第8位)だった。
固定回線の代替については、5Gの特徴として高速大容量、高信頼性、低遅延性などがうたわれているものの、現時点では実際の品質や安定性、価格などを予測できないことが理由と考えられる。また、大画面やAR/VRへの高精細ビデオ配信などは、5Gの主なユースケースの一つとして紹介されることが多いが、このような活用方法を検討する企業は、IoT全般に比べやや少ないと考えられる。
参考資料(出典:IDC Japan)