SAS Institute Japanは9月20日、マーケティングオートメーション(MA)「SAS Customer Intelligence(CI) 360」の製品統合と機能強化を発表した。ビッグデータ、人工知能(AI)、オムニチャネル、外部パートナーチャネルなどあらゆる接点を活用して顧客を囲い込み、マーケティング収益の向上をサポートするものとして、「ハイパー・コネクテッド・マーケティング・オートメーション」と呼んでいる。
これまで、デジタルマーケティング「SAS 360 Engage」、アクセスログ解析「同 Discover」、クロスチャネル・キャンペーン管理「SAS Marketing Automation」、オペレーション管理「SAS Marketing Operation Management」として提供してきた基本モジュールを、SAS CI 360のブランドで統合、機能強化を図った。主なポイントは次の通り。
- SAS CI 360のカスタマージャーニー作成機能で、デジタル、リアル、外部の顧客接点をまたいだ設定が可能
- SAS CI 360のカスタマージャーニー作成機能、顧客セグメント作成機能で、オンプレミスの顧客データベースとの連携、APIによる外部システムとの連携が可能
- SAS CI 360とSAS Marketing Automationの顧客コンタクト履歴管理機能が統合。デジタル、リアル、外部の顧客接点をまたいだコンタクト履歴の管理が可能
- 管理ツールを統合したことで、操作性が向上

ハイパー・コネクテッド・マーケティング・オートメーションのイメージ図
これまで、オンプレミスにビッグデータや顧客接点システムを保有する企業で、MAによるパーソナライズやオムニチャネルの実現は難しかった。ビッグデータをインターネット経由でクラウド環境に転送するための時間や、クラウド環境の個人情報漏えいリスクなどの課題によって、クラウド環境におけるビッグデータの活用は制限されていた。加えて、顧客接点がクラウドとオンプレミスで分断されてしまうため、双方で連携が取れず、シームレスなカスタマージャーニーの実現が困難だった。
「SAS CI 360は、オンプレミスとシームレスに連携することで、企業が保有するオンプレミスのビッグデータ、AIアプリケーション、CRM(顧客関係管理)などのシステムを活用し、あらゆる顧客接点でパーソナライズを可能にする」(SAS Institute Japan ソリューション統括本部 ビジネスソリューション統括部 Customer Intelligenceグループ グループマネージャー 原島淳氏)
さらに、企業内部だけにとどまらず、外部のデータや顧客接点との連携も可能になる。異業種や外部パートナーとの連携による顧客の囲い込みといった、より高度なカスタマージャーニーの実現もサポートするという。 営業店やコールセンターといったオンプレミスの顧客接点システムとは、オープンAPIでリアルタイムに連携する。
データ管理「SAS Data Management」、AIプラットフォーム「SAS Viya」、マーケティングROI最適化「SAS Marketing Optimization」といったシステムとの連携も可能となっている。
これまで個別に提供していた各製品を1つの管理画面から呼び出せるようになった。データ収集、顧客セグメント、カスタマージャーニーの設計と実行、コンテンツ管理、キャンペーン開発と承認ワークフロー、業績管理&最適化など、マーケティングのPDCAサイクルに必要な機能を統合管理ツールで操作可能になった。マーケターの運用をより効率的にする。