IBMが農業、顧客サービス、人事、製造、マーケティングなど様々な業界のユースケース向けにトレーニング済みの、「Watson」ツールの概要を発表した。
技術企業各社がデータサイエンティストのチームなしに簡単に実装できる選択肢を提供しようと意欲的になる中、IBMの動きにはAIと機械学習の両方のトレンドが大きく反映されている。
各Watsonパッケージによりリリースの段階は異なるが、様々なIBMの取り組みから得られたベストプラクティス、トレーニングなどの知識を活用している。例えば一般提供が始まった「Watson Decision Platform for Agriculture」は、天気データ、それに農業のIoTのエンドポイント、衛星画像を統合し、「予測的な農業ビュー」を提供する。農家はリアルタイムでの意思決定を支援するアプリとして利用できる。
IBMはこの他にも、以下のような分野でトレーニング済みのWatsonパックを提供する。
- 顧客サービス(「Watson Discovery for Salesforce」):Deluxe Corporationとのパイロットプログラムを終え、今回リリースとなった。少ないトレーニングでサービス担当に電話の相手に関連する情報をリアルタイムで提供する。
- 人事:Watsonツールが現在最もパフォーマンスの高い従業員のバックグラウンドを、多様性のあるバックグラウンドから分析して、応募者の中から似たような人を探す。
- 「Watson Assistant for Marketing」:メトリックスをアクション可能な情報に変換し、パーソナライズされたキャンペーンの展開が可能になる。広告側では、天気情報を使って広告を調整する。
- 「Watson Supply Chain Insights」:天気情報、渋滞情報、規制の変更を組み合わせることで、企業はサプライチェーンについてさらに詳しい情報を得られる。このパッケージも一般提供が始まっている。
- 産業機器メーカーがWatsonとIoTアナリティクスを土台としたツールセットを使って、稼動停止時間、欠陥、製品検査、生産性、スキルギャップ、素材コストなどを分析する。
- 「IBM IoT Buildings Insights」:建物や設備のデータを分析して、エネルギーコストを節約したり、施設の利用状況を把握したりするのに利用できる。
- 自動車製造業向け:仕様や要件を評価し、品質を向上させるためのガイダンスを提示する。
Watson Decision Platform for Agricultureのスクリーンショット
Watson Decision Platform for Agricultureのスクリーンショット
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。