「デジタルワークプレイス」のネットワーク課題を独自技術で解消--IIJ

2018年10月25日 10時58分

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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は10月24日、SDN/NFV(ソフウェア定義のネットワーク/ネットワーク機能仮想化)技術を活用したクラウド型ネットワークインフラとして提供中の「IIJ Omnibusサービス」の機能拡張を発表した。クラウドを活用した「デジタルワークプレイス」実現に取り組むユーザー企業が直面しがちなネットワークの課題を想定し、これを解決できる新機能を追加している。

IIJ サービスプロダクト事業部 営業推進部長の三木庸彰氏
IIJ サービスプロダクト事業部 営業推進部長の三木庸彰氏

 まず登壇したサービスプロダクト事業部 営業推進部長の三木庸彰氏は、デジタルワークプレイスについて、「コンシューマーテクノロジを含むデジタルテクノロジを活用した仕事の環境の整備を通じて、従業員の俊敏性や(仕事への)熱意を高めるための企業戦略」だと紹介した。従来の企業内業務アプリケーションの枠にとどまらない、さまざまなクラウドサービスをさまざまなデバイス、さまざまな場所から活用できることが求められていると位置付け、さらに、そこにはさまざまな課題が潜むことを指摘した。

 クラウド活用が進む中で企業内のITインフラの様相も大きく変化しており、かつては全てのITインフラがファイアウォールの内側で稼働していたが、現在では社内/拠点内には「無線LANアクセスポイントとPCしかない」状況も珍しくないという。このため、ファイアウォールで境界を強固に守るという従来のセキュリティ方針ではカバーし切れなくなっていることに加え、クラウドサービスを利用する際のネットワークの問題もさまざまにあるという。同氏が挙げた「デジタルワークプレイスの実現に際して直面するIT課題」は、次の4点だ。

  1. 拠点間ネットワークの混雑(フレッツ網の輻輳、回線帯域)
  2. インターネットゲートウェイの負荷(設備面、運用面)
  3. モバイル通信時のストレス(回線状況、再接続の手間)
  4. ID/パスワード管理の負担・リスク(運用面、不正ログイン)

 単純化してしまえば、クラウドアプリケーションを業務に活用するようになった結果、クラウドへのアクセス回線の混雑が常態化し、ユーザービリティを損ねていることが大きな問題として浮上している。この解消には多額のコストが見込まれるため、ユーザー企業の負担となっているということだ。こうした状況の改善を目指し、IIJではOmnibusサービスへの機能拡張を段階的に進めている。

IIJ Omnibusサービスの最近の新機能一覧
IIJ Omnibusサービスの最近の新機能一覧

 Omnibusサービスの機能拡張の具体的な内容について、サービスプロダクト事業部 副事業部長の林賢一郎氏が説明。今回追加された新機能は、「クラウドルーティング」と「SD-LAN」の2つとなる。また、12月中旬の提供開始を予定する新機能として「クラウド型ADサービス『IIJディレクトリサービス for Microsoft』」が10月18日付で、「セキュアで快適なVPNサービス『IIJフレックスモビリティサービス』」が10月24日付で、それぞれ発表されている。

IIJ サービスプロダクト事業部 副事業部長の林賢一郎氏
IIJ サービスプロダクト事業部 副事業部長の林賢一郎氏

 クラウドルーティングは、業務に活用されるクラウドアプリケーションへのトラフィックが増大することでネットワークが混雑してしまうという問題への対策として導入されるもの。ユーザー企業側の対策としては、例えば Office365のトラフィックだけを切り出して別回線で直接送るような「インターネット(ローカル)ブレイクアウト」といった手法があるが、トラフィックを分離するためのネットワーク機器や新たな回線契約が必要となるなど、コスト負担が大きい。クラウドルーティングでは、こうしたトラフィックの振り分けをクラウド側(Omnibus内部)で行なうことで最適化するというものだ。

 またSD-LANは、企業内/オフィス内のLANの設定や運用管理をクラウド側から一元的なインターフェースで行えるようにする。実際の制御には、日本ヒューレット・パッカードのAruba製の「Aruba Central」が採用されている。SD-LANを活用することで、アプリケーション単位の帯域制御なども可能になるため、例えば業務に無関係なアプリケーションのトラフィックをエンドポイントの直近のスイッチなどで遮断するといった制御を行い、ゲートウェイやWAN回線に不要なトラフィックが流入することを防ぎ、回線帯域の活用効率を向上させることもできる。クラウドルーティングとSD-LANを組み合わせることで、クラウド側/LAN側の双方での最適化が実現するわけだ。

 価格に関して機能ごとの設定ではなく、利用モデルを想定した参考を紹介。例えば、2000ユーザー規模の企業で、「Office 365をどこからでも安全かつ快適に利用させたい。機器負荷・分庸負担は増やしたくない」という要件の場合、「高速・安定リモートアクセスVPN」「クラウド通信経路の自動振り分け」「SSO+アクセス制御+多要素認証」の利用では、1ユーザー当たり月額で合計約1500円になるという。

価格イメージ
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