ブループリズムがマーケットプレイス、エンタープライズRPAは新たな展開に

石田仁志 2018年11月28日 10時30分

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 RPA(ロボティックプロセスオートメーション)ベンダーのBlue Prismは、11月27日に新サービス「Blue Prism Digital Exchange(Blue Prism DX、以下DX)」に関する記者説明会を開催した。Blue Prism GroupでOffice of the CTO, APJを務めるDan Ternes氏、日本法人社長のPaul Watts氏、同マネージングディレクタージャパンの千原寛幸氏、同ソリューションコンサルティング部長の志村裕司氏が、同社の新サービスや事業展開について説明した。

Dan Ternes氏
Dan Ternes氏

 DXは、同社のエンタープライズ向けRPAソフト「Blue Prism」に連携する機能群を販売するオンラインのマーケットプレイス。人工知能(AI)や機械学習(ML)、アナリティクス、光学文字認識(OCR)などのパートナー製品や、同社が作成したコネクタ類などのコンポーネントを提供するもの。まず、60種類の機能群を無償で提供する。なお、「日本語対応は未定」(千原氏)とのこと。

 DXの発表と同時に、RPAソフトの新バージョン「Blue Prism v6.4」の提供を開始した。6.4では、新たにDXで販売する機能を取り込み、自動化プロセスを構築するための機能を実装、DXを活用したエコシステムによる機能拡張を実現するためのプラットフォームという位置付けとなっている。

 ユーザーは、DXから利用したい機能をダウンロードし、機能をインポートするとBlue Prismのウインドウにアイコンで表示され、ドラッグ&ドロップ操作でフローに組み込める。これにより、AIやMLなどを活用したインテリジェンスな自動化フローを構築できるようになる。

 例えば、数字の入ったレシート画像から数字を認識して読み取り、Excelのシートに入力するというようなインテリジェンスを絡めた自動化業務を組める。他社の技術を取り込み、インテリジェンスな機能を簡単な操作で実装できるような形でRPAの進化を実現している。

OCR機能でレシートの数字を読み取ってExcelに登録するRPAのデモの様子。右側の丸いアイコンがDXからダウンロードした機能群で、ドラッグ&ドロップでフローに組み込める。
OCR機能でレシートの数字を読み取ってExcelに登録するRPAのデモの様子。右側の丸いアイコンがDXからダウンロードした機能群で、ドラッグ&ドロップでフローに組み込める。

 ITベンダーがDX上でサービスを提供するためには、Blue Prismが展開している「TAP」というパートナープログラムに参加する必要がある。TAPでは、Microsoft、Google、Amazon Web Services(AWS)、IBMなどの大手プラットフォームベンターのほかに、テクノロジアライアンスとして、マーケットをけん引する小規模の専業ベンダーとも連携しており、DX発表時にラインアップしているメニューは、このアライアンスを組んでいるベンダーが提供する機能群となっている。

 現在DXに参加しているのは、インテリジェントキャプチャ機能を提供するABBYY、プログラミングをほとんど行わないローコード開発のAppian、インテリジェントデータ抽出ツールセットを提供するLateetudなど。

 現在は、インテリジェンスやビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)のための機能群、それらを活用するためのコネクタなどを提供しているが、「今後は業務を効率化するためのユーザーのBlue Prism上で自動化されたビジネスプロセスモデルなどの販売も視野に入れている」(志村氏)という。

Paul Watts氏
Paul Watts氏

 Ternes氏の説明では、これまでのBlue Prismが提供してきたRPAは、第1のフェーズである「オフィスプロセスの自動化」であり、人体に例えると、キーパッドを操作する「手」やアプリケーション間を移動する「足」、さらにスケジュールや優先順位を決める「時計」の役割だった。

 次のフェーズでは、非構造化データを確認し、プロセスの中で利用できるデータに変換し、それを意思決定に活用できるようにしなければならない。そのためにはデータを分析したり解釈したりする「頭脳」、感情や文脈を理解する「耳」、コミュニケーションを図る「口」のような機能が必要で、これによって高次元のスキルを発揮するデジタルワーカーのロボットが完成するとしている。

 そして、これらの高次元な部分を、DXを通じたパートナーとのエコシステムで実装していこうというのが同社のアプローチということになる。「われわれが目指しているのは、インテリジェントオートメーションのためのエンタープライズRPAを提供すること」(Watts氏)であり、「安定したコミュニティーを提供するために安定したプラットフォームを提供する」(Ternes氏)と、業務自動化ツールからエンタープライズの業務システム基盤へとポジションを進化させる構えを見せている。

 そのほかに、11月から始まった新年度の日本でのビジネスの方向性も発表した。注力分野は4つ。

 1つ目は、「マーケティングに対する投資」。これまではパートナーが開催するイベントに参加する形でユーザーにアピールしてきたが、今年度は、自社開催のオリジナルイベント「Blue Prism TOKYO」を開催する。2つ目は、「パートナーのエコシステムの拡大」。リソースが足りない状況のため、システムインテグレーターとのパートナーシップ拡大を目指す。

 3つ目は、「サポートエンジニアの増員」。日本のユーザーはサポートに関する要求が高いため、不足するサポートエンジニアの育成を急ぐ。4つ目は、「お客さまの成功を支援する」。同社の「カスタマーサクセスチーム」のメンバーを増員する。

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