
英国Blue Prismの最高経営責任者(CEO)であるAlastair Bathgate氏
RPAソフトウェアを提供するBlue Prismは10月11日、英国本社の最高経営責任者(CEO)であるAlastair Bathgate氏の来日に伴い、事業戦略および最新動向に関する記者説明会を開催した。
ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は、企業のデジタル変革を推進する「第3の労働力」として、生産性の向上や運用コストの削減、業務品質の向上などに有効であると強調。Blue Prismは、その基盤技術となる「デジタルワークフォースのためのオペレーティングシステム」という。
会見では、最新の取り組みとして「Blue Prism Digital Exchange」が説明された。Digital Exchangeはシステム連携やプロセス自動化に必要となるAPIやコネクタをダウンロードできるポータルサイト。GoogleやMicrosoft、Appian、Splunkなどのパートナーが参加している。例えば、Microsoft Cognitive ServicesやGoogle Cloud Platform、IBM Watsonなど、文章解析や画像認識などに関する機械学習の機能群を「スキル」として利用可能。

Blue Prism Digital Exchange
次期バージョンの「Blue Prism v6.4」(11月に提供予定)では、ダウンロードしたスキルをドラッグ&ドロップでつなぎ合わせて、プロセスに組み込めるようになる。「インテリジェントな自動化スキルを採用することで、真の人工知能(AI)を実現する」とBathgate氏は話す。
RPAソフトウェアのBlue Prismは、業務プロセスを開発するためのObject Studioと、統合管理のためのControl Roomから成る。Object Studioはフローチャート形式で自動化の成果物であるプロセスやオブジェクトを構成し、Control Roomは管理者向けのコンソールでロボットに処理させる業務プロセスの割り当てを動的に制御する。一度作ったオブジェクトは複数のプロセスから再利用でき、業務に割り当てるロボットの増減によって業務の繁閑に柔軟に対応する。

日本法人 社長のPaul Watts氏
Blue Prismは英国ロンドンで2001年に創業。RPA分野のパイオニアとして、52カ国・42業種で1000社超が利用する。日本法人は2017年3月に設立。現在は、日本マイクロソフト、アクセンチュア、富士通、EY、アビームなど約30社のパートナーを持つ。国内企業では、第一生命や住友商事、DeNAなどが導入している。
日本法人 社長のPaul Watts氏は日本市場の動向として「RPAは働き方改革と結び付けられるケースが多いが、もっと戦略的に捉えられるべきだ」と指摘する。その上で「単に残業時間の削減だけでなく、経済に影響を及ぼすような大規模なオペレーションの見直しが重要だ。Blue Prismでは、世界の知見を集めた“ロボティックオペレーティングモデル”を提供する」とアピールした。