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救急ビッグデータを用いた救急車最適運用システムを共同研究--消防庁ら

NO BUDGET

2018-11-30 09:21

 消防庁 消防大学校 消防研究センター(消防研究センター)とNTT、NTTデータは、2018年2月から約3年間の計画で救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの共同研究を実施していることを明らかにした。

 この研究は、救急車の現場到着時間・病院収容時間の短縮を目指すもの。救急搬送情報およびG空間情報やモバイル空間統計などのビッグデータと、消防研究センターや消防機関における運用ノウハウ、NTTグループのビッグデータ分析・学習・価値化技術を活用する。

提供:共同研究の概要
提供:共同研究の概要

 共同研究のテーマは3つに分かれる。まず「救急隊最適配置」では、各種救急活動情報の解析から傷病者発生を予測し、この予測結果に対して救急隊の情報を加えた解析を行うことで、傷病者発生確率の高い場所への救急隊の最適配置を検討し、運用効率化の可能性を検証する。

 時系列データの学習に有効なリカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いて市全体の救急需要を予測し、過去の救急搬送実績に基づく地図メッシュごとの確率分布と組み合わせることで救急需要の期待値の分布を算出した。過去の救急搬送事例のデータや天候などの環境データ、動的人口データなどを用いて予測最適化アルゴリズムを考案し、現実に即した制約条件を加味したシミュレーションにより実データと比較検証した結果、平均現場到着時間が短縮され、その有効性を確認できた。

 「搬送先医療機関決定に要する時間の短縮」では、救急隊の出動履歴や医療機関の受入履歴等の情報解析を行い、傷病者ごとに時々刻々と変化する各医療機関のリアルタイムな受入可能性を推定した。

 ランキング学習を用い、過去の救急搬送事例について、受入病院選定までの経緯を学習し、受入優先度の推定アルゴリズムを考案し、過去の事例について、このアルゴリズムを用いて複数の病院の受入優先度を推定した。そり結果、過半数の事例で最終的に受け入れた病院を、最初の選定先として示すことができた。

 「医療機関搬送時の安全性確保」では、救急車などの走行情報や地図情報などから、道路の段差・高低差等の道路状況を推定した。救急隊に対して走行ルートおよびその道路状態の案内を行うことで、傷病者へ負担を与えないスムーズな救急車の運転や、車内での救急救命処置の安全性確保の支援が可能か検証した。

 NTTが参加している欧州連合(EU)との共同研究プロジェクト「BigClouT」の成果を使い、慶應義塾大学が測定・蓄積したごみ収集車の走行データを活用し、藤沢市内の段差データベースを作成した。このデータベースに基づいた段差警告システムのプロトタイプを作成、走行実験によってその警告システムの有効性を確認している。

 同研究では、消防研究センターは、研究統括と消防現場への実用化方法の検討、実証実験消防機関とのコーディネイト、救急活動関連データの取得、基礎研究成果の提供などを担当した。またNTTは、救急自動車の最適運用システムに関する技術確立と、プロトタイプの構築、検証を行っている。NTTデータは、救急自動車の最適運用システムのプロトタイプ構築支援と検証支援、救急医療情報システムのノウハウを提供した。

 今後、各テーマでの予測精度をさらに高めるとともに、フィールド実証を想定した運用システムとしての構築を進めていく。12月から開始予定の実証実験で同システムの適用を目指す。

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