Amazon Web Servicesは米国時間11月28日、これまでは数カ月間かかっていたデータレイクのセットアップを数日で実現できる製品「AWS Lake Formation」を発表した。
AWSの最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は、ラスベガスで開催中のカンファレンス「AWS re:Invent」で、「これによって、今後(データレイク構築の)容易さの次元が大きく変わる」と語った。同氏は「誰もがデータレイクを求めている」と述べ、S3上で構築されたデータレイクはすでに1万以上になっていると指摘した。人々はデータの整理統合に価値があることに気づいている、と同氏は言う。
しかし、そのプロセスは手間がかかるものだ。「まずストレージを用意し、S3バケットを設定し、データをまったく異なる環境に移動する必要があり、メタデータも必要だ」とJassy氏は言う。「データを発見しアナリティクスを実行する際のコストとパフォーマンスを最適化するには、その後さらにデータのクリーニングと準備を行う必要がある」。その上で、セキュリティやアクセスポリシーの準備もしなければならない。
多くの企業では、データレイクのセットアップに数カ月かかる。
それに対して、AWS Lake Formationは「ダッシュボードで何度かクリックするだけで全部済ませることができる」とJassy氏は語った。データを手際よく移動させ、適切なメタデータタグを設定できるという。このサービスは、見本となるセキュリティポリシーやアクセス制御のリストも備えている。
Jassy氏はさらに、「AWS Control Tower」のプレビュー版を公開すると発表した。これは、安全なマルチアカウント環境(Landing Zone)を簡単に設定・管理できるようにするものだ。
「ビルダーや開発者の多くは、ものをいじり回すのが好きだ」とJassy氏は言う。「しかしそれとはまた別のマクロタイプのビルダーが登場してきている」
同氏によれば、この2つ目のタイプのビルダーは、サービスの細部を深く掘り下げることにはあまり関心を持たず、むしろものを早く実装し、作ろうとすることに熱心だという。
Jassy氏は「この2つ目のビルダーのグループは、われわれに対して、常にさらに多くを求めてくる」と述べ、このタイプの人々はまた、簡単に実現できること、明確で分かりやすい手引きを用意することを望んでいると話す。「これは安全でコンプライアンスが確保されたマルチアカウント環境の設定・管理を行うもっとも簡単な方法だ」
「たった数クリックで、AWSを今までよりもずっと簡単に管理できる」(Jassy氏)
同氏は、やはり「2つ目のタイプのビルダー」を念頭に置いた製品として、AWS環境のセキュリティを集中的に管理できる「AWS Security Hub」の発表も行った。
「最高情報セキュリティ責任者(CISO)は、いつでも違うコンソールの間を切り替えながら作業している」とJassy氏は言う。「AWS Security Hubを使えば、GUIを使って多くの時間を節約できる」
AWS Security Hubを利用すれば、業界標準からの逸脱を検出するコンプライアンスのチェック作業を自動化することもできる。また、優先順位が高い問題のサマリも表示できるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。