PC中心からデータ中心へ--変わりつつあるインテル

渡邉利和 2018年12月28日 10時36分

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 インテルが直近の事業動向に関する説明会を開き、11月1日付で代表取締役社長に就任した鈴木国正氏が、2018年の振り返りと2019年の展望を語った。

インテル 代表取締役社長の鈴木国正氏
インテル 代表取締役社長の鈴木国正氏

 鈴木氏によると、現在は米国本社主導のもとグローバルで「PC CentricからData Centricへ」という変革を推進している最中だという。かつての“Wintel”時代の圧倒的な成功体験からようやく脱却し、2018年というタイミングで将来に向けたビジョンが確立された――と見てよいのだろう。同氏は、Intelの強みに「世界最高クラスの技術開発力」を挙げ、半導体の設計/製造技術に圧倒的なものがあることから、「スマートかつコネクテッドなデータ中心の世界を進化させていくことができる立場にある」とした。

 併せて同社調査による結果から、「世界中の全データの90%はたったの過去2年で生成されている」という面白いデータも紹介した。鈴木氏は、本格的に“新しい時代”が来ているという認識を示した上で、「データがあればいい、生成されればいい、というものではなく、データをどう活用していくかという点にデジタルトランスフォーメーションの難しさと面白みがある」と述べた。

 同社の予測として、今後のデバイス出荷数は2020年に500億台、2025年には800億台という数を見込んでいるという。これらのデータを組み合わせると、今後もIntelは、PCを含むさまざまなデジタルデバイスの製造に注力していくと同時に、それらのデバイスが生成するさらに膨大なデータをどう活用していくかという点にフォーカスしていくようだ。同氏はまた、「真の“Trusted Advisor”に向けて」という目標を掲げた。さまざまなユーザー企業から真に信頼されるアドバイザーであることを目指すが、「まだ道半ば」という認識だ。

 この他に鈴木氏は、Intelにおけるビジネスの“キーワード”として「クラウド」「ネットワーク」「5G」「エッジ」「IoT」の5つを挙げた。いずでも同社に限らず多くの企業が注目している分野だろう。また、同社がオリンピックスポンサーということあり、鈴木氏は2020年の東京オリンピックに際しても「ショウケースとして使うことができる」との認識から「さまざまなパートナーと面白いことを仕込んでいく」と語っている。

 現在は業種・業態を問わず大きな変化に直面している企業が多く、Intelもまた例外ではないだろう。PCの世界で圧倒的な強さを誇った同社だが、デジタルデバイスの主役がPCからスマートフォンなどへ一気に切り替わった結果、現在は変化へどう対応するかを模索せざるを得ない状況にある。鈴木氏の説明からも、新たな時代に向けてどう進んでいけば良いかをさまざまに検討していることがうかがえる。

“復活”を目指すIntelの注力分野
“復活”を目指すIntelの注力分野

 “デジタルトランスフォーメーション”とは言っても、全く新規の事業を開発するということを除けば、多くの既存事業にはこれまで作り上げてきたプロセスやシステムがあり、これまでうまくいっていたこうしたものを捨てて新しいものを導入するリスクを考えれば、そう簡単には移行できないという典型的なジレンマに陥っている例が少なくないようだ。Intelに関しても、この数年はいろいろな面で苦しんでいた感があるが、今後多くの企業がデジタルトランスフォーメーションの波に直面し、変革の苦しみを乗り越えなくてはならなくなるかもしれない。

 鈴木氏の方針から同社は、“Trusted Advisor”としてさまざまなデジタル機器を供給し、また、その活用方法をアドバイスすることで多くの企業のデジタルトランスフォーメーションを支援することを目指している。だが、それと同時にIntelが変革を進めるプロセスからもいろいろと学べることがありそうだ。鈴木氏がキーワードに掲げる5つの領域は、多くの企業に取っても今後どう向き合っていくかを考えておくべき重要な技術トレンドだろう。この点を整理することから着手してみるのも一手ではないだろうか。

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