CES 2019では、「Googleアシスタント」とAmazonの「Alexa」が大きな存在感を発揮している一方で、Microsoftのデジタルパーソナルアシスタント「Cortana」はまったく目立っていない。ただしこれも、Microsoftが、Cortanaの位置づけを単体の「アシスタント」から、ユーザーに支援を提供する仕組みへと変更しようとしてきたことを考えれば、驚くには当たらないと言える。とはいえ、Microsoftがバーチャルアシスタント市場から完全に抜け出したというわけではない。同社は、「仮想アシスタントソリューションアクセラレータ」によって、目立たない形で得点を続けている。仮想アシスタントソリューションアクセラレータは、顧客がカスタマイズされた専用のバーチャルアシスタントを作れるようにするためのテンプレートやツールを集めたツールキットだ。
Microsoftは2018年11月に、この製品をプレビューの形で公開した。仮想アシスタントソリューションアクセラレータを使えば、顧客はアシスタントの名前や声、個性を変更でき、会話スキルのスターターセットも利用できる。
CES 2019では、LGとMicrosoftが発表を行い、LGの自動運転ソフトウェアなどとともに「Microsoft Azure」とAzureの人工知能(AI)製品を利用していくことが明らかになった。仮想アシスタントソリューションアクセラレータは、LGエレクトロニクスが車載インフォテインメントシステムに組み込もうとしているMicrosoft製品の1つだ。
また、スマートホームのソリューションを提供しているUniversal Electronicsも、同社のホームハブプラットフォーム「Nevo Butler」(「nevo.ai」と呼ばれるデジタルアシスタントが組み込まれている)にMicrosoftの仮想アシスタントソリューションを利用するという。
Microsoftの仮想アシスタントソリューションアクセラレータは、GitHubで入手できる。
Microsoftはまだ、Cortanaの今後について明確なロードマップを公表していない。同社はAmazonとパートナーシップを結び、単純な音声による質問に答える役割をAlexaに任せることによって、単独のデジタルアシスタントとしての役割に重点を置かなくなっている。さらに、Cortanaを「Windows 10」の「Microsoft Search」から切り離そうとしているほか、Windows 10の「Enterprise」エディションと「Education」エディションに組み込まれているCortanaを使用した音声セットアップ機能がデフォルトで無効になるとの報道もあった。しかし同社は、Cortanaの生産性アプリケーションへの組み込みは継続している。
提供:Universal Electronics
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。