編集部からのお知らせ
「半導体動向」記事まとめ
「リスキリング」に関する記事まとめ

新規株式公開に向けて準備を進めるCanonical、気になる財務状況

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-01-21 06:30

 IBMに買収されるまで、Red Hatは公開企業だったため、その財務状況についてはかなり詳細に明らかになっていた。ところが、Linux市場におけるRed Hatの最大のライバルであり、Ubuntuを生んだ企業であるCanonicalは非公開企業であるため、同社の利益や売上高について分かっていることははるかに少ない。ただし、Canonicalは新規株式公開(IPO)に向けた準備をしているため、十分に注意を払えば、同社の財務状況の手がかりを得ることができる。

 Canonicalの本社は英国にある。すべての英国企業は、設立時に企業登記局に登記されているため、Canonicalがたとえ創業者のMark Shuttleworthが100%所有している非公開企業であっても、年次報告書の提出が義務づけられている。

 このレポートは、米国で証券取引委員会(SEC)に提出されるものほど時機を得たものではない。例えば1月3日に提出されたCanonicalの最新の年次報告書の対象期間は、2018年3月31日を末日とする同社の2018会計年度だ。それでも、この報告書を見れば、同社のLinux企業およびクラウド企業としての人気はある程度分かる。

 第1にCanonicalは、クラウド向けのLinuxとしてもっともよく利用されているにもかかわらず、Red Hatほどの売上高はない。Red Hatの2018年3月末締めの年間売上高は29億ドルで、純利益は2億5900万ドルだった。一方Canonicalは、総売上高は1億1000万ドル、純利益は620万ドルに過ぎない。

 厄介なのは、2017年のCanonicalの売上高はもっと高かったということだ。具体的には1億2600万ドルだった。Canonicalの最高執行責任者(COO)Neil French氏は、売上高が減少した理由として、人員削減を挙げている。

 それでも同社の税引き後利益は1110万ドルだ。これは2017年の損失880万ドルよりもはるかによい数字だと言える。

 ただし、この売上高の数字を見て、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の方がUbuntuよりも人気があると決めつけてはいけない。Cloud Marketが発表した、2019年1月8日時点のAmazon Web Services(AWS)で使用されているインスタンス数の統計では、UbuntuはほかのどのOSよりも多い31万4492インスタンスで、RHELは2万2072インスタンスだった。

 では、なぜこれほど売上高が違うのだろうか。筆者がShuttleworth氏に尋ねた際に同氏が挙げた理由の1つは、「UbuntuがRHELよりもずっと安い」ことだった。もう1つの理由は、多くの企業Linuxユーザーが、サーバをサポート契約なしで使用していることだろう。

 とは言えCanonicalの純利益は、2017年には200万ドルだったが、2018年には620万ドルと3倍以上になっている。この利益増には、Ubuntuのサポート契約の売上高の増加と、人件費削減の両方が貢献しているようだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 開発

    なぜ、コンテナー技術を使うことで、ビジネスチャンスを逃さないアプリ開発が可能になるのか?

  2. セキュリティ

    2022年、セキュリティトレンドと最新テクノロジーについて、リーダーが知っておくべきこと

  3. ビジネスアプリケーション

    全国1,800人のアンケートから見えてきた、日本企業におけるデータ活用の現実と課題に迫る

  4. 運用管理

    データドリブン企業への変革を支える4要素と「AI・データ活用の民主化」に欠かせないテクノロジー

  5. 経営

    テレワーク化が浮き彫りにしたリソース管理の重要性、JALのPCセットアップを支えたソフトウエア

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]