編集部からのお知らせ
解説:広がるエッジAIの動向
Check! ディープラーニングを振り返る

2018年第4四半期は企業標的のメール悪用攻撃が多発--IPA

ZDNet Japan Staff

2019-01-31 17:55

 政府と国内セキュリティ機関、企業、業界団体などで構成する「サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)」は1月31日、2018年10~12月期の活動状況を発表した。ビジネスメール詐欺(BEC)やアカウントの乗っ取りによる大量のスパムメール発信、正規メールへの返信を装うマルウェア感染など、メールを悪用するサイバー攻撃が目立った。

 J-CSIPは情報処理推進機構(IPA)が中核となり、13業界の249組織と経済産業省や内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)などが参加し、サイバー攻撃などに関する情報を参加組織間で共有する。医療および水道業界の約5500以上の組織とも連携している(2018年12月末時点)。

 期間中に、参加組織からIPAに提供されたサイバー攻撃情報は同年7~9月期の約2倍となる1072件だった。標的型攻撃メールとみなされる事案は93件で、このうち63件がプラント関連事業者を狙った攻撃メールだった。プラントの設備や部品関連企業に対し、提案や見積り依頼などの内容で実在すると思われるプロジェクトや事業者の名称を詐称する手口だったという。IPA経由で参加組織に共有された情報は同20件増の59件だった。

 BECと見られる攻撃の報告は4件あり、うち2件で実際に金銭被害が発生、全て英文メールだったという。

 2018年11月に確認されたケース(被害なし)では、標的になった国内企業(A社)と取引先の海外企業(B社)を装う攻撃者との間でメールによるやり取りが行われ、攻撃者がA社に対して金銭の振り込みを要求。しかし同時期に、B社から正規のメールがA社に送付された。A社の担当者は、B社になりすました攻撃者のメールとB社からの正規のメールで内容に食い違いがあると感じ、B社の担当者に電話で確認したところ、攻撃者の偽メールに気付いて被害を免れた。この事案では、攻撃者が事前に何らかの方法でA社とB社の取引内容を把握していた可能性があると見られている。

2018年11月に確認されたBECのケース(出典:情報処理推進機構)
2018年11月に確認されたBECのケース(出典:情報処理推進機構)

 アカウントの乗っ取りによる大量のスパムメール発信の事案では、米国企業のアドレスから送られたフィッシングメールを通じ、従業員がID(メールアカウントのID)とパスワードを入力したファイルをアップロードした。その3週間後にOffice 365のアカウントが乗っ取られ、7分間のうちに約1万通のフィッシングメールが社内外に送信されてしまった。この企業では対策として、全ユーザーにOffice 365のパスワード変更を指示し、Office 365での「Advanced Threat Protection(ATP)」機能の適用と、グローバルIPアドレスでログインする場合の2要素認証の必須化を図ったという。

 この他には、2018年11月27日午前5時半ごろから約4時間にわたって、少なくとも国内の16ドメインから25通のウイルスメールが送信される事案が発生した。受信者が送信元に確認したところ、「何者かによって当該メールアカウントのメールの送受信履歴をもとに、複数の宛先へウイルスメールが送られた模様」との回答が複数得られたが、詳細は分かっていない。これ以降に同様の攻撃が観測されていないことからIPAでは、厳重警戒ではないものの、今後も発生する可能性があると注意を呼び掛けている。

正規メールへの返信を装うマルウェア感染のケース(出典:情報処理推進機構)
正規メールへの返信を装うマルウェア感染のケース(出典:情報処理推進機構)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

Special PR

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]