ペンシルベニア州キング・オブ・プルシアに拠点を置くQlikは米国時間2月21日、データ統合企業Attunityを5億6000万ドルで買収することで合意したと発表した。可視化を重視したセルフサービス型のビジネスインテリジェンス(BI)分野を早い段階からけん引しているQlikは、包括的なアナリティクスプラットフォームを目指してこれまでにも買収という手段を選んでおり、2017年1月に地理空間情報のアナリティクスおよび地理情報システム(GIS)のパートナー企業だったIdevioを買収し、2018年7月にはデータカタログ製品を手がけるPodium Dataを買収している。
Attunityは、データウェアハウスとデータレイクの双方に向け、データのインジェスチョン(データの取得/取り込み/加工)や、従来型のストリーミングデータのレプリケーションおよび統合を実現する、データのチェンジデータキャプチャ(CDC)テクノロジに注力している。Qlikプラットフォームは既に「QlikView」や「Qlik Sense」におけるモデリングや可視化とともに、「Qlik GeoAnalytics」を通じたGISや、「Qlik Data Catalyst」(旧称「Podium Data」)を通じたデータのカタログ化やガバナンスを実現している。
QlikはAttunityのデータ統合機能を手にすることで、より包括的な製品を提供できるようになる。またこの買収によって、Tableau Softwareと競合するうえで良い位置に付けられるようにもなる。Tableauは独自のデータ準備コンポーネントを提供しており、他の補助的なサービスを発展させていくことに注力しているようだ。
ワンストップショップ?
Podium DataとAttunityを手中に収めることでQlikは、具体的にはデータの管理とガバナンスという分野で本格的に活動できるようになる。これはBI分野とデータ管理分野の双方を長年手がけているMicrosoftやIBM、SAP、Oracleのような超大手ベンダーと競合できるだけの力を持ち得るという意味を持っている。データ保護規制やデジタル変革の圧力が高まっている時代にあって、データという土俵上で成功を勝ち取るにはこれら双方が必須となるのだ。
この点についてAttunityの最高経営責任者(CEO)Shimon Alon氏は、今回の買収で「Qlikに加わり、自社が有するデータ統合やビッグデータ管理の能力をアナリティクス分野のリーダーと組み合わせ、成功を加速させられるというのはうれしい限りだ」と述べている。また、QlikのCEOであるMike Capone氏はこの「力を合わせ、より大きな成果を」というアプローチを支持し、「(中略)われわれは力を合わせることで、データに関する最も困難な問題を解決するという目標のもと、パートナーのエコシステムとともに、企業顧客を支援するより良い位置に付けられるようになる」と述べている。
買収の完了
両社によると買収は第2四半期に完了する見込みだという。つまり、12カ月という期間内にPodium Dataの買収とAttunityの買収が実施されることになる。これは、同時期に企業の間で包括的なデータ管理およびガバナンスの必要性が優先度の高い懸念となっている点から、うなずける動きだと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。