海外コメンタリー

IT先進国エストニアの電子投票はどれほど進んだか

Kalev Aasmae (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2019年03月18日 06時30分

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 2019年3月に実施されたエストニア議会選挙では、デジタル化に関する新記録が生まれた。投票の半数近くがオンラインで投じられたのだ。この選挙では、およそ56万票のうち24万7232票がオンラインで投票された。

 このバルト海に面する小国では、2019年の選挙で第一党となった中道右派の改革党がオンライン投票でも首位となり、電子投票された票の40%を獲得したとされる。2位は13.5%で極右の保守人民党が獲得し、やはり右派の祖国共和連合が12.5%で僅差の3位となった。

 オンライン投票(エストニアでは「i-Voting」と呼ばれている)は、投票日の10~4日前までの期日前投票期間に実施される。投票日当日にオンライン投票を行うことはできない。

 投票の手順そのものは簡単だ。投票するには、インターネットに接続されているコンピュータと国民IDカード、あるいは有効な電子証明書とPINコードを持ったモバイルIDのいずれかが必要となる。

 投票アプリケーションがダウンロードされると、ソフトウェアによって自動的に投票者に投票権があるかどうかが確認され、投票者が登録されている地域に応じて、候補者のリストが表示される。

 投票先を決めると、アプリケーションが投票内容を暗号化して、安全な形で投票集計サーバに送信する。投票者には投票日時を記録したタイムスタンプが渡されるため、必要であれば、事後に投票内容が正常に集計サーバに送られたかどうかを検証することもできる。

 電子投票は投票所などの管理された環境で実施されるわけではないため、投票が自由に行われたことを保証する必要がある。このため、期日前投票期間中は投票内容をデジタル的に変更できるほか、投票所であらためて投票することも可能な制度になっている。この場合、最後に投票された内容が集計に反映される。

 また、2015年の議会選挙からは、カメラとインターネット接続を備えたデバイスを使って、オンライン投票を行った有権者が、自分の投票内容がサーバに正常に受信されたかどうかを確認できるようになった。このシステムは、有権者のコンピュータが投票内容を変更したり、ブロックしたりするマルウェアに感染していないことを確認するためのものだ。

 エストニアで電子投票が初めて導入されたのは、2005年に実施された地方議会選挙だ。最初に利用された際は、全部で9287票が電子的に投票された。これは全投票数の2%弱にあたる。当時、オンラインで投票するための唯一の方法は、その3年前に導入された、チップを内蔵した国民全員が所有するエストニア国民IDカードを利用することだった。

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