コラボレーションと仕事の“窓口”に--Slackの次なる展開

國谷武史 (編集部) 2019年03月22日 07時00分

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 開発者のコラボレーションツールとして広まったSlackは、現在ではそのユーザー層をIT部門からオフィスのさまざまな部門にも広げ、ビジネスコラボレーションツールとしての認知度を高めつつある。さらに、その先として目指すのが、ビジネスアプリケーションの連携とその活用だ。デベロッパーリレーション部門ディレクターのBear Douglas氏にその取り組みを聞いた。

Slack デベロッパーリレーション部門ディレクターのBear Douglas氏
Slack デベロッパーリレーション部門ディレクターのBear Douglas氏

 「Slackは、コラボレーションを通じてユーザーの創造性と生産性を高めることにフォーカスしている。ツールや機能でなるべくタスクを自動化する。ユーザーがコラボレーションを通じてより創造性のある仕事に取り組めるようにする」

 Douglas氏は、Slackのコンセプトをこのように紹介する。コラボレーションやコミュニケーションのためのツールはこれまでにも数多く存在していたが、Douglas氏によれば、人やチームが取り組む仕事の“流れ”を中断させないことが、こうしたツールの成否を左右する。あるユーザーが仕事に集中している時、チームのメンバーから急な相談が入り、それに対応する。相談が終わった後、元の仕事をどれだけスムーズに再開できるかは、こうしたツールにおけるユーザー体験の重要なポイントになる。

 その支持層が開発者からビジネスユーザーに広がる課程では、企業内のみならず外部とのコラボレーションがカギを握る。「外部パートナーとのコラボレーションのために『共有チャンネル』があり、有償ユーザーの90%がSlackとつながる1500種類のアプリケーションを利用する。そして、ユーザーのカスタムアプリケーションともつながっている」(Douglas氏)

 例えば、日本発ではSansanの名刺情報サービス「Eight」と連携して、Slackを“窓口”に部門内のメンバーがクライアントの名刺情報を共有できる。カスタムアプリケーションでは、例えば、人事部門が作成したボットプログラムをSlack上で展開し、社員がSlackから有給休暇の取得を申請するようなこともできるようになっている。

 こうした事例以外にも、IT部門ならコードのデプロイをメンバーに通知してチェックを依頼したり、あるいは総務部門が企画しているプランのアンケートをSlackで社員に気軽に回答してもらったりもできる。

 2月には、こうしたアプリケーション連携におけるユーザー体験の向上を支援する新たなツールセットの「Block Kit」とプロトタイピングツール「Block Kit Builder」もリリースした。両ツールは、開発者やビジネスユーザーが利用可能なユーザーインターフェース(UI)デザイナーという位置付けで、Slack上におけるコミュニケーションのインタラクションを高めたり、ユーザーに提供するメッセージの視認性や情報の表示を改善させたりできるようにする。

 「ウインドウサイズを柔軟に変更したり、メッセージを読みやすくしたりするUIのデザイン作業をドラッグ&ドロップ操作で実現する。また、例えばメッセージ内の日付にボタンを付けてその場でカレンダーアプリを呼び出し、予定を登録するようなことも可能になる」

「Block Kit」の機能の一例。ランチのデリバリー候補を投票してもらう画面では、メッセージと候補リストの間に区切り線を挿入して見やすくできる
「Block Kit」の機能の一例。ランチのデリバリー候補を投票してもらう画面では、メッセージと候補リストの間に区切り線を挿入して見やすくできる

 Block Kit Builderには、カスタマイズ可能なテンプレートも用意され、開発者はこれらを活用してBlock KitでのUI開発を容易に進められる。

 2018年夏には、業務フローやプロセスの自動化を図るMissionsを買収した。Douglas氏によれば、ビジネスユーザーがSlackを通じて定型業務の処理を自動化できる手段を提供する計画だといい、「Slackとの統合ができ次第リリースしたい」と話す。

 一方で、エンタープライズユーザーの求めるセキュリティやコンプライアンスの機能も提供する。メッセージに含まれる気密性の高い情報の検出と漏えいを防止するData Loss Prevention(DLP)や、API連携でのeディスカバリ(法的証拠となる電子的な情報の開示)対応、メッセージを保護する暗号鍵管理などがある。

 Douglas氏は、今後もSlackでは、ユーザーの利便性と情報の安全性のバランスに配慮した開発を推進していくとしている。

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