間近に迫った締め切りほど、集中力を高めてくれるものはない。これはジャーナリズムの世界だけではなく、ITの世界でも同じのようだ。
Microsoftは、「Windows 10」搭載デバイスが8億台を突破したと発表した。こうした数字の意味を深読みしすぎるのは危険だが、この数カ月で移行が進んでいるように見えることは確かだ。この数字が6億から7億になるまでには9カ月近くかかったにもかかわらず、7億から8億までは5カ月半しかかかっていない。リリース直後の時期(一般ユーザーが無料でアップグレードできた時期)ほどではないとしても、この数字は勢いが増していることを示している。
Windows 10の導入ペースが加速している理由の1つは明白で、「Windows 7」の終焉が間近に迫っていることだ。Windows 7に対する延長サポートが終了するまで、もう1年を切っている。
Windows 7は依然として多数のPCで動いており、その多くは企業で使われている。このOSは、信頼できる製品として10年近くも利用されてきた。
Windows 10搭載デバイス数の推移
データ提供:Microsoft/グラフ作成:米ZDNet
一部の企業は、メインストリームサポート終了後もWindows 7を使い続けようとするかもしれないが、それにはコストがかかる。そしてそのコストは、時間の経過とともに上昇していく仕組みになっている。多くの企業では、時代遅れの古いソフトウェアの追加サポートに高額な料金を長期間支払い続けることは、財務の観点から正当化しにくいだろう。また多くの組織では、メインストリームサポートの対象ソフトウェアだけを使用するというポリシーが整備されるはずだ。