編集部からのお知らせ
(記事集)ニューノーマルで伸びる業界
「ニューノーマルとIT」新着記事一覧

IT担当者なら知っておきたいインターネットの基礎:その起源をざっくり振り返る

野々下裕子

2019-05-11 07:00

 インターネットが誕生して約半世紀。今やいつでもどこでもインターネットを使えるのが当たり前になり、ビジネスにも不可欠なテクノロジーになっている。だが、その仕組みがどうなっているのかというと、意外と知る機会がないのではないだろうか。今回は、インターネットに関する基礎知識を分かりやすくまとめる。

インターネットはどうやって作られたのか?

 インターネットとはネットワークの集合体で、個々に運営されているネットワーク同士が相互につながって構成されている。インターネットが登場する前は、異なるネットワークにあるコンピューター同士をつなげるのが困難で、相互接続のためにこれまでさまざまな技術やルール、規格が開発されてきた。

 インターネット誕生の起源は1960年代にさかのぼる。当時は高価で運用も難しく、時間単位で使っていたコンピューターの機能をどこからでも使えるようにすることを目的としていた。「パケット交換」というデータをパケット(小包み)のように分割して送受信する仕組みが1960年代後半に論文(米国ランド研究所のPaul Baranと英国立物理学研究所のDonald Davies)で発表され、ネットワークが混んでいたり遅かったりしても効率良くデータをやりとりできるようになった。

 そのアイデアに目を付けたのが米国国防総省の高等研究計画局(ARPA:アーパ)で、軍事技術として利用するため「ARPANET(アーパネット)」を1960年代後半に開発した。これがインターネットの起源とされている。遠隔地にあって種類の異なる複数のコンピューターを1つの端末で操作できるようになり、専用回線でパケットを交換する「Interface Message Processor(IMP)」という技術も開発された。

コンピューターのためのルール作りが大きな鍵に

 インターネットを軍事以外の目的で使いたいという声のもと、1970年にハワイ大学のNorman AbramsonがIMPをベースに「ALOHA(アロハ)」という技術を開発した。ハワイの島々にあるコンピューターを無線方式でつなぐ「ALOHAnet」が登場。よりたくさんのコンピューターがつながった方が、利用者のメリットになると考えたAbramsonは特許を開放し、それをもとに「Eternet(イーサネット)」というインターネットを象徴するオープンな規格が誕生する。

 さらに複数のコンピューター同士をつなぐ方法や、データが送れなかったり、エラーが起きたりしたときの共通ルールや手順をまとめた「通信プロトコル」が必要になり、1973年に米国防高等研究計画局(DARPA:ダーパ)のRobert Kahnとスタンフォード大学のVint Cerfによって「TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)」の開発がスタートする。

 TCP/IPの誕生によってインターネットの標準化が進む。1980年代にはインターネットをサービスとして提供する「商用ISP(インターネットサービスプロバイダー)が初めて登場するようになり、電子メールやネットニュースなどが利用されるようになる。

 だが、このときはまだ一般向けではなく研究者が主な対象だった。大規模な演算を高速に処理するスーパーコンピューターを共同利用するために研究所や教育機関をつなぐ「CSNET(Computer Science Network)」が全米科学財団(NSF)によって1981年に構築された。

 そのCSNETを再構築し、1986年に運用を開始した「NSFNET(National Science Foundation Network:全米科学財団ネットワーク)」は、一般での利用が始まる1995年ごろまで、インターネットの中心的な役割を担ってきた。

 このように、1970~1990年代にかけてインターネットの基礎が築かれたといえる。インターネットの設計に関わった人たちの間では、相互運用性、規模拡張性、エンドツーエンドの実現が重要視されており、加えてオープンであることが基本であると考えられている。

インターネットが成長するのはTCP/IPのおかげ

 インターネットに接続するときの手順やルールはプロトコルによって決められており、その総称が「TCP/IP」と呼ばれるものである。

 TCP/IPは、アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層、ネットワークインターフェース層の大きく4つがあり、それぞれの用途に合わせた規格やルールが決められている。

 さらにもう1つ、プロトコルには技術的にもう少し細かく階層を分けた「OSI〈Open System Interconnection〉参照モデル)があり、こちらは国際標準化機構(ISO)によって策定されている。レイヤー(階層)は、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層があり、順番にレイヤー1~7とも呼ばれている。

 いずれにしても、インターネットのプロトコルはレイヤーごとに運用方法や規格が決められているが、そのおかげで各層での新しい技術開発や機能拡張がしやすくなり、インターネットの進化にもつながっている。

 例えば、幾つかあるプロトコル階層のうち、トランスポート層(レイヤー4)と呼ばれる部分では信頼性のあるデータの伝送やエラーの検出、フローや輻輳(ふくそう)の制御などの役割を果たしている。インターネットにつながらないときにエラーで知らせてくれるのはTCP/IPのおかげで、トランスポート層のプロトコルでルールとして決められているからなのである。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    ファイルサーバ管理のコツはここにあり!「無法状態」から脱出するプロセスを徹底解説

  2. クラウドコンピューティング

    社員の生産性を約2倍まで向上、注目の企業事例から学ぶDX成功のポイント

  3. コミュニケーション

    真の顧客理解でCX向上を実現、いまさら聞けない「データドリブンマーケティング」入門

  4. ビジネスアプリケーション

    デメリットも把握しなければテレワークは失敗に?─LIXIL等に学ぶ導入ステップや運用のコツ

  5. 運用管理

    ニューノーマルな働き方を支えるセキュリティ-曖昧になる境界に変わらなくてはならないデータセンター運用

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]